編集部より

「自社での活躍を期待していたのに、内定を辞退されてしまった」「面接の感触は悪くなかったのに、他社を選ばれてしまった」「応募は多数あるものの、なかなか内定承諾に至らない」など、このような経験をお持ちの採用担当者も多いのではないでしょうか。

面接選考は、法人・企業と応募者がお互いに『見極める場』となります。

応募者が「ここで働きたい」と思えるような面接にするには、採用側はどのような点に気をつければいいのでしょうか。

入社決定率が高い法人・企業が実践している、内定辞退を防ぐためのポイントをご紹介します。

入社決定率が高い法人・企業とは?

なぜ応募者は内定を辞退してしまうのでしょうか。

次のような理由があげられます。 

①仕事内容や希望条件が合わない
②他社の内定を承諾した
③現職を継続することにした
④面接時の法人・企業の対応が悪かった
⑤内定の連絡が遅かった
⑥ネットや同業者から、良くない噂を耳にした

 

企業側の努力だけでは改善が難しいものもありますが、④⑤はすぐにでも改善できそうですね。

応募者の大半が複数の法人・企業を併願しています。面接時の丁寧な対応と、早めの連絡を心がけるだけでも、応募者に好印象を与えて志望度のアップにつながります。

競合負けをしないために、入社決定率の高い法人・企業はどのような工夫をしているのでしょうか。

次の5つのポイントを確認していきましょう。

 

 

POINT1.「この職場で働きたい」と思わせる第一印象

法人・企業の第一印象は、応募者が最初に会うスタッフで決まる
採用面接の予定は、スタッフ全員に周知を

 

面接を終えた応募者から、次のような声を聞くことがあります。

「面接のことが病院の受付まで伝わっておらず、たらい回しにされてしまった」(看護師)

「面接先の薬局に行ったが、スタッフがみんな忙しそうで声をかけるタイミングが分からず戸惑った」(薬剤師)

「面接に訪れた際、施設の受付で声をかけた人の対応が悪く、自分が歓迎されていないと感じた」(介護士)

初対面の印象がその後の評価を大きく左右するといわれているくらい、「第一印象」は人間関係を築く上でとても重要な要素です。

 

応募者にとって、『面接に訪れて最初に対面する人が、その法人・企業の第一印象』になります。

初対面が採用担当者であるとは限りません。ほとんどの場合が、病院の受付にいる事務員や、薬局のレジにいるスタッフではないでしょうか。

  

面接の予定がスタッフに正しく伝わっていないと、応募者をたらい回しにしてしまったり、「歓迎されてないのでは?」と不安にさせてしまいます。その後、どんなに有意義な面接を行えたとしても、初めについてしまった良くない印象を払拭するのは難しいでしょう。

一方、初めて対面したスタッフの印象が良ければ、法人・企業全体のイメージも上がり、「一緒に働きたい」と思ってもらえる可能性も高くなります。

  

応募者と対面する可能性のあるスタッフ全員が面接の予定を把握し、おもてなしの意識で応募者を迎えることが大切です。

 

 

POINT2.応募者がリラックスできる面接環境を整える

応募者は職場の雰囲気も重視している
アイスブレイクで、リラックスできる面接環境を

 

採用面接では、応募者が「職場に必要な人材か」を短時間で判断しなければなりません。

限られた時間内で人柄を知り、情報を引き出すためには、応募者が本音を話しやすくなるような雰囲気づくりがとても大切です。

また、労働条件や仕事内容も重要ですが、面接官や職場の雰囲気を重視する応募者も多くいます。

 

・面接時の表情や話し方を工夫する

・面接開始前にアイスブレイクを取り入れ、応募者の緊張を和らげる

 

など、「この職場で働きたい」と思ってもらえるような面接環境を整えましょう。

~アイスブレイクのトーク例~

・お待たせしました、どうぞ席にお掛けください。お名前は〇〇さんですね。

・本格的に暑くなってきましたよね。

・駅から迷わずに来られましたか?

・緊張されているかと思いますが、リラックスして臨んでくださいね。 

面接担当者と同様に、応募者も面接のために時間を割いています。たとえ、人物評価などにより採用見込みが薄い応募者であったとしても、誠意ある丁寧な対応を心がけましょう。

 

 

POINT3.応募者の転職軸を把握して、志望度を高める

求職者一人ひとりに転職の軸がある
応募者が重視している軸に応じたアプローチを

 

求人票上で仕事内容や労働条件を事前に確認されているケースがほとんどですが、面接の場で面接官から改めて仕事内容や労働条件を説明することで、「求人票で見た条件と違う」といった入社後の認識相違やミスマッチによるトラブルなども防ぐことができます。

 

また、多くの求職者が、【転職をする上で重視する軸】を定めています。

応募者の「軸」は転職理由からも、うかがい知ることができます。下記は、マイナビ看護師・薬剤師・コメディカル・介護職に登録された転職希望者のデータに基づき、転職理由を分析したグラフです。

 

 

・今より年収をアップさせたい

・働き方を変えて、ワークライフバランスを保ちたい

・研修制度が充実した企業に転職して、スキルアップしたい

 

など、求職者一人ひとりにそれぞれ重視している軸があります。職種によっても違いがあることが分かりますね。

 

面接前までに応募者の「軸」を把握していくことが重要です。

アンケート方式などで、応募者から『今回の転職理由』『転職軸』『転職先に求めること』等を事前に回収し、面接当日はその回答にそった企業説明や魅力を話せると良いでしょう。 

人材紹介経由での採用の場合は、担当のアドバイザー経由で応募者の転職理由や軸を聞き出しましょう。

~応募者の志望度を上げるトーク例~

・◯◯さんには、このような業務を任せたい。

・◯◯さんに、将来的に◯◯を担ってほしい。

 

任せたい業務や役割を期待を込めて話すことで、応募者は

“自分は期待されている、求められている”という気持ちになり、志望度がグッと上がります。 

 

POINT4.適切な面接官・職場見学対応者を選任する

面接は相互理解の場
面接には、現場を理解している担当者の同席を

 

面接や職場見学を実施する際に望ましいのは、現場を理解されている方の同席です。
面接は法人・企業と応募者の相互理解の場となります。
応募者の重視するポイントについて、配属先の状況を把握している担当者が質疑に応じ、詳細を伝えることで、入社につながりやすくなります。
また面接官の対応が悪いと、応募者の印象も悪くなります。辞退率が高い場合は担当者を変更することも考えてみましょう。

 

 

POINT5.面接後の連絡・フォロー

優秀な人材は多くの内定をもらっている
連絡はできるかぎり迅速かつ丁寧に

 

内定辞退を防止するためには、内定者への連絡と、その後のフォローが非常に重要です。

経験や技術をなどを持っている優秀な人材は即戦力となるため、多くの企業から内定をもらっています

競合負けしないために、できるかぎり迅速かつ丁寧な対応を行いましょう。

人材紹介経由での採用の場合は、面接当日から2~3日以内を目安に、担当のアドバイザーへ内定・不採用の旨を通知しましょう。

 

内定承諾から入社までの間は、不安を抱きやすい期間
安心して入社日を迎えられるように、定期的な連絡を

 

内定承諾から入社までの間は、不安を抱きやすい期間でもあります。

1~2ヶ月に一度の目安でコンタクトを取ることで、入社予定者は安心して入社日を迎えられます。

また、入社前のオリエンテーションや入社予定者を集めた交流の機会を設けたり、配属予定先のスタッフにも入社予定者の情報を共有した上で受け入れ体制の指導を行うことによって、スムーズな入社および入社後の定着率向上につながります。

 

 

まとめ

面接選考は、法人・企業と応募者がお互いに『見極める場』。

採用側は、選ばれる立場でもあるという意識が非常に重要です。

入社決定率の高い法人・企業が、実践しているのは、ノウハウというほど堅苦しいものではなく、

習慣化された心得や気遣いばかりです。

大切なのは、「応募者のことを知りたい」と興味を持って耳を傾ける姿勢と、スピーディで丁寧な対応。

お互いが「一緒に働きたい」と思えるようなコミュニケーションを心がけていきましょう。

 

 

 

メディカルサポネット編集部

 

 

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