2021.12.17
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なぜ、あの病院は「勝てる採用」ができたのか?
――採用困難地域編

ケースから学び看護師採用の勝ち組になる! vol.5

 

編集部より

思ったように看護師を集めることができず、頭を悩ませている病院は少なくないでしょう。より効率的に、より確実に、より自院にマッチした人材を集めるためには、どんな取り組みが必要なのでしょうか。本シリーズでは、医療業界の採用に長年携わってきた株式会社ITA取締役副社長の吉本賢次氏に、実例を踏まえた看護師採用のポイントを語っていただきます。第5回となる今回のテーマは、人材紹介会社とのコミュニケーションと、コストをかけない病院PRです。

 

取材・文/中澤 仁美(ナレッジリング)

撮影/和知 明(株式会社BrightEN photo)

編集/メディカルサポネット編集部

 

 

【ケース4:欠員状態が続いて期間限定の派遣看護師に頼っていたW病院】

 

<ケース概要>

W病院は、中部地方の中核都市付近にある中規模ケアミックス病院。開院して数年しか経過していないこともあり、看護師の人材マネジメントが落ち着かない状態だった。できるだけ早く常勤の看護師を増やし、期間限定の派遣看護師に頼る構造から抜け出したいと希望しているものの、地域でも競合となる病院に押し負けていた。

 

 

 

 

人材紹介会社に送り続けた「メールの定期便」

 

皆さんご存じの通り、都心部に位置しない病院は看護師の応募数が伸び悩みがちで、採用に苦労することが少なくありません。W病院もその1つで、中核都市の近くにはあるものの、よりアクセスの良い他院に看護師が流れてしまう傾向にありました。

 

また、新規開設の病院の多くがそうであるように、院内のバタバタに呼応するように看護師もバタバタと辞めていき、地方にしては高めの25%という離職率でした。新たな人材も思うように採ることができず、常に約10人の派遣看護師がいなければ業務が回らない状態だったのです。

 

地方では人口が少ない上に流動性も低いことから、看護師の人材市場はさほど活発でないのが一般的です。しっかりと応募数を確保するためには、人材紹介会社の力を借りることが欠かせません。W病院は外部に向けての発信力が弱かったので、私がサポートに入って人材紹介会社とのコミュニケーションの改善を進め、「選ばれる病院」になることを目指しました。

 

 

 

 

大手数社に対しては、事務長と採用担当者と一緒に訪問し、パンフレットなどを渡しながら病院の現状を説明しました。直接顔を合わせて

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