2021.08.30
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保険外サービスの新しい仕組み
リハビリに第3の選択肢を

介護事業者インタビューvol.2 株式会社ワイズ

 

編集部より

高齢化や生活習慣病の増加により2020年には患者数が300万人を超えたとされる脳血管疾患。その半数以上は後遺症が残ってしまうため、リハビリが必要とされています。株式会社ワイズは退院後もリハビリを継続したいという「リハビリ難民」の要望に応えるため、2014 年に脳血管疾患後遺症の保険外リハビリを行う「脳梗塞リハビリセンター」の運営を開始しました。社会保険制度下では対応が難しいリハビリの枠組みを超えて、理学療法士や作業療法士、鍼灸師、運動トレーナーらによるマンツーマンのリハビリを、利用者に応じたオーダーメイドのプランで提供しています。日本全国だけでなく、海外からの反響も大きく、コロナ禍においてライセンス提供も開始しています。

 

取材・文/松崎純子(元新聞記者/介護ライター)

編集・構成/吉井 光洋(メディカルサポネット編集部)

 

 

株式会社ワイズ代表取締役会長兼CEOの早見泰弘氏に事業内容や今後の展望についてお話を伺いました

 

 

介護保険の枠を飛び越え一刻も早い社会復帰のためのリハビリへ

 

――事業内容を教えてください

 

早見泰弘さん(以下、早見): 脳梗塞など脳血管疾患の後遺症を抱えた方々に向けたサービスを展開しています。介護保険を使わない完全自費のリハビリテーションを提供する「脳梗塞リハビリセンター」や、デイサービスの運営を行うリハビリ事業、鍼灸整骨院、リラクゼーションサロン、訪問マッサージを展開するヘルスケア事業のほか、BtoBのリハビリ事業として、健康プログラム企画・運営や、リハビリ研修サービスなどを行っています。現在、「脳梗塞リハビリセンター」は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県のほか、愛知、大阪、兵庫、福岡、鹿児島等で計20ヵ所、デイサービスを東京で3ヵ所運営しています。

 

 

――会社設立のきっかけを教えてください

 

早見:元々WEBマーケティング会社を起業して以来IT業界で約20年間働いていたのですが、ある日椎間板ヘルニアを患い、リハビリが必要な状況になったことがあり、その際の体験でリハビリに興味を持つようになりました。IT業界での知識・経験を活かして、リハビリや高齢社会などで役に立つ事業をやりたいと考え、2014年に会社を作りました。ただ、最初から保険外サービスの提供を考えていたわけではなく、まずは介護保険を使うリハビリ特化型デイサービスをスタートさせました。しかし、介護報酬改定での減額が経営を圧迫する点や、利用者には高齢者だけでなく脳梗塞を患った若い世代も多く、一刻も早く社会復帰を目指したい世代の人にとっては、介護保険内では改善を目指すのに十分なリハビリができないという点が課題となっていることがわかりました。そこで、脳血管障害を経験した方々へ向けた新たな選択肢として、維持ではなく改善にむけたリハビリを提供するサービスとして、自費であればこれまでと違ったリハビリを提供できるのではないかと考えるようになりました。

 

 

脳血管疾患の患者はリハビリ難民に

 

――脳血管疾患の患者を取り巻く環境を教えてください

 

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