2024.01.15
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人件費を削減するには?薬剤師の負担を軽減する方法や積極的に導入したい調剤機器

利益を取りこぼさない 薬局マネジメント経営~Vol.7

    

編集部より

調剤報酬改定のたびにマネジメントの工夫が必要となる薬局や調剤併設ドラッグストア。「物」から「人」へのシフトが鮮明になり、地域の医療情報集積とコミュニケーションを担う役割も求められています。地域社会や患者さんのニーズを満たす新しい試みを続けていくためにも、薬局は安定した経営を続けていくことが必要と言えるでしょう。

 

この連載では、大手薬局グループのエリアマネジャー補佐 篠原奨規(しのはら しょうき)さんが、薬局で実際は行っているのに請求できていない報酬の把握や、見落とされがちな業務の工夫など、利益を取りこぼさないようにする薬局マネジメントについて解説します。

 

第7回は、「人件費をどう削減するか」について説明します。本記事では、平均的に薬局でどのくらいの人件費がかかっているか、人件費を削減する方法、その一環として薬剤師さんを楽にするために導入すると良い調剤機器の具体的名称などを解説します。

 

執筆/篠原奨規 管理薬剤師 薬局グループ エリアマネジャー補佐

編集/メディカルサポネット編集部

   

      
処方せん受付と書かれた看板の写真

      

人件費削減を進めたいけれど、どのように取り組めば良いかわからず困っていませんか?人件費は薬局経営にかかる費用のなかでも、医薬品費に次いで2番目に多いといわれています。経営者ができるだけ低く抑えたいと思いがちな人件費ですが、むやみに削減しようとすると従業員の不満につながったり、経営を悪化させたりする可能性があります。そこで本記事では、人件費を適切に評価するための指標をお伝えしたうえで、人件費削減に効果的な対策や積極的に導入したい調剤機器を紹介します。

       

1. 人件費とは?該当する費用や保険薬局の平均を紹介

給料と書かれた茶封筒と電卓

    

人件費とは、従業員の労働などによって発生する費用のことです。具体的には以下の費用が該当します。

  • 給与手当(基本給・賞与・通勤手当・家賃手当など)
  • 法定福利費(健康保険料・介護保険料・雇用保険料など)
  • 福利厚生費(社宅費用・慶弔費など)
  • 役員報酬
  • 退職金

など

 

厚生労働省が行った「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告(令和3年実施)」によると、保険薬局全体における収益に占める人件費(給与費)の平均値は30,830,000円でした。また本調査をもとに作成された「医療経済実態調査のデータ分析」によると、職種間における給与費の配分状況は以下のとおりです。給与の高い管理薬剤師と薬剤師の給与が全体の半数以上を占めていることがわかります。

  • 管理薬剤師29.6%
  • 薬剤師38.5%
  • 事務職員24.9%
  • その他の職員1.5%
  • 役員5.5%

 

引用:医療経済実態調査のデータ分析|厚生労働省

※配分状況については、年度の給与(1施設当たり平均)/給与費(1施設当たり平均)を算出しその比率を計算

        

2. 人件費を評価するための指標

電卓を使って計算をしているビジネスマン

 

人件費を適切に判断するには、売上や利益との関係性を確認することが大切です。人件費が高額であっても、売上や利益が十分にあれば、経営上問題とはなりません。一方で、人件費があまりかかっていないと思っていても、利益が低い店舗では人件費が経営を圧迫している可能性があります。人件費を適切に評価するために知っておきたい指標を2つ紹介します。

 

 

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