2020.08.27
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「この薬局がすごい!」の各薬局の新型コロナ感染対策
マスクの生産販売や薬剤師チーム制も

この薬局がすごい! 特別編「新型コロナウイルス感染症対策」

新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、薬局を取り巻く環境が大きく変わっています。地域住民に支持される薬局を取り上げる連載「この薬局がすごい!」に登場した薬局に対策を聞くと、マスクの生産販売や薬剤師のチーム制勤務、在宅患者への花のプレゼントなどさまざま。withコロナ、afterコロナ時代を生き抜くヒントにあふれていました。

取材協力/アイセイ薬局、竹の葉薬局、たむら薬局、パル薬局、ヒルマ薬局小豆沢店、ファーマシィ、まんまる薬局、メディカルユアーズ、わかば薬局(五十音順)
企画・編集/メディカルサポネット編集部

 

たむら薬局/仲間とマスクを生産販売

たむら薬局を展開する江古田では、近隣病院でクラスターが発生し、新型コロナ関連の相談を受けることが4月から急増しました。受診抑制の影響で、小児科とアレルギー科を主に受けている1店舗では応需枚数が減りましたが、他の店舗ではより面で応需するようになり例年通りか例年以上に増えました。コロナ禍の今、門前から地域薬局へのパラダイムシフトが起こっている気がしています。

 

今までOTC販売に力を入れるなど処方箋以外の物販ルートを模索し続けてきました。今回、主な仕入れルート先の一つである紅白薬業協同組合の薬局経営者の仲間と共に生地メーカーに依頼し、繰り返し洗って使えるマスクを生産・販売を4月から始めました。また、不織布マスクや消毒液、体温計、トイレットペーパー、ティッシュなどは、新たな仕入れ先の開拓を強化し、緊急事態宣言が出された期間中もほとんど欠品することなく提供し続けることができました。また、学校薬剤師として担当している幼稚園に、6月1日の再開に合わせてキッズ・ジュニア用のマスクの寄付もさせていただきました。この時期の処方箋枚数はそこまで増えませんでしたが、「この薬局に来れば何かあるかもしれない」と処方箋なしで来局される方が増え、その方々が次は処方箋を持って来てくれるようになり、会社全体として昨年より売上は増えました。

 

「地域の人たちに必要なのは地域に根差したかかりつけ薬局だ」という思いを今こそ伝えたいと思い、かかりつけ薬局を持つメリットをまとめたリーフレットと、新型コロナウィルス感染症対策の特例措置の案内リーフレットをオリジナルで作成しました。店内に張り出したり、来局された際に渡したり、商店会や町内会の方、在宅などで知り合いの他職種の方に案内したり、SNSで発信したりしています。0410通知が出て以降実際、「今までは病院の前でもらっていたお薬だけど、電車に乗って都心まで行きたくないのでここでもらえる?」と相談されることも増え、住んでいる地域でかかりつけ薬局を持つことの必要性を認識してもらえたと感じています。

 

「地域の人たちに必要なのは地域に根差したかかりつけ薬局だ」と思い、コロナ禍に作成したたむら薬局のリーフレット

 

また、スタッフ同士が会わなくても情報共有できるように、テレワーク助成金を使って各店舗に情報共有用のiPadを設置し、リモート会議ツール「zoom」やビジネス用チャット「Slack」を使ってこまめにやり取りできる体制を構築しました。またスタッフの店舗移動を少なくするためにたむら薬局各店舗の薬歴やレセコン情報,検体測定の情報をクラウドで一元化できるよう準備を進めています。

 

毎日スタッフは体温測定し記録、カンウンターに防護シールド、スタッフ全員にゴーグル、マスク配布、消毒の無償配布も行っています。

 

  

スタッフ同士が非対面でやり取りできるようビジネス用チャット「Slack」を導入(左)
学校薬剤師として担当する幼稚園に子ども用マスクを寄付した(右)
 

 

 

わかば薬局/コロナ疑い患者用に対応室を新設

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、依然油断ができない日々が続いています。この状況で働くスタッフの安全を第一に、そして慢性疾患の方もコロナ感染疑いの方も誰もが安心して来局できるように工夫をしています。例えば、コロナ感染が疑われる発熱している患者が、通常の待合室を経由することなく薬の受け取りができる「特別対応室」を5月に相模原緑店に新設しました。他の患者からは来局したことも分からない設計で、窓口はアクリル版で仕切りを設けています。対応マニュアルを作成し、防護服やフェイスシールド、アルコールなどの備品を完備し、安全面に配慮。コロナ疑いの患者さんが病院や薬局にかかりにくい状況を打破するために一役買っています。オンライン服薬指導や薬の宅配も始めました。

 

また、社員全員に手指消毒用のアルコールジェル(500ml)を無料配布しました。業務用に会社が用意しているマスクとは別に、プライベート用に医療用(サージカル)マスクが原価で買えるように社員販売しました。最前線を支えるスタッフの安全を第一に考えています。

 

新型コロナウイルス感染症対策をまとめたわかば薬局の社内報(抜粋) 

 

アイセイ薬局/薬剤師の思いから生まれたブランドのオンラインストア開設
この薬局がすごい!第2回に登場 アイセイ薬局
アイセイ薬局 事業企画部 KuSu開発チーム
(左から)稲毛さん、糠谷さん、鈴木さん
連載「この薬局がすごい!」第2回に登場

薬局店舗で実施している新型コロナウイルス感染症拡大防止の対策としては、各店舗内の消毒、定期的な換気、お薬お渡しカウンター等への飛沫防止用アクリルパーテーションやビニールパーテーションの設置、本・お子さま向けおもちゃ・サンプル機器等の撤去などがあります。従業員は、出勤前検温、マスク着用・手洗い・うがいなどを徹底し、必要に応じてフェイスシールド等も使用しています。また、電話等による服薬指導とお薬の配送にも対応しています。また、全国のアイセイ薬局グループの「おくすり予約が簡単にできるサービス『おくすり PASS FAST』」(LINEからもおくすりのご予約が可能)を推進し、待合室の密を回避しています。
  

他にも、キャッシュレス決済サービスに対応したり(クレジットカード、電子マネー、QRバーコード決済)、近隣の医療機関と情報共有し、感染者や感染が疑われる患者さんには店舗外での対応を行ったりしています。

「おくすり予約が簡単にできるサービス『おくすり PASS FAST』」 

  

他にも、キャッシュレス決済サービスに対応したり(クレジットカード、電子マネー、QRバーコード決済)、近隣の医療機関と情報共有し、感染者や感染が疑われる患者さまには店舗外での対応を行ったりしています。

 

■プライベートブランド「KuSu(クス)」のオンラインストア開設 

SUKU
手荒れケアにお薦めの「KuSuハンドクリームPro」

薬剤師1,500人の思いから生まれたプライベートブランド「KuSu(クス)」を2019年から展開しており、薬局店舗で販売をしてきましたが、オンラインでもご購入いただけるように「KuSu」のオンラインストアを開設しました。

 

現在、「KuSu」商品としてハンドクリームと日焼け止めクリームを販売していますが、新型コロナウイルス感染拡大に留意する生活の中で頻繁な手洗いと消毒液の使用で手荒れが気になる方に“ハンドクリーム”での手荒れ予防・ケアを、紫外線対策「マスク焼け」予防に“日焼け止めクリーム”のご活用をおすすめしています。

今後も、化粧品や健康食品、日用品などを取りそろえ、「新しい生活様式」の中で、皆さまの毎日のすこやかなくらしに寄り添い、より豊かにする場として展開予定です。

 

「マスク焼け」予防に活用を勧める「KuSu日焼け止めクリームPro」 

 

 

まんまる薬局/在宅の薬剤師をチーム化 患者に消毒液のプレゼントも

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、在宅医療を受けている患者さんのご家族から、ドクターも薬剤師も訪問の頻度を減らして欲しいという要望が数件ありました。

感染予防対策の一つとして、エリアごとに分けている訪問ルートを固定化し、スタッフ同士の濃厚接触の機会を減らしました。具体的には、薬剤師は薬局ではなく最寄り駅に来てもらい、ボランチ(まんまる薬局独自のスタッフ名称。薬剤師と二人三脚で動くマネジャー的な役割を持つ)が自動車で迎えに行き、患者さんの自宅を訪問します。終わったらまた薬剤師を最寄り駅に送り届け、薬局に立ち寄る機会を減らしました。
患者さんにはエタノールのボトルをプレゼントし、ケアマネジャーら訪問する人や家族が使えるようにしました。自宅に入る前に必ず手の消毒をし、説明する際にはできるだけ距離を保って行っています。

リモートワークも導入しました。業務を”見える化”し、例えば、薬歴はクラウド上で管理できるようにしたり、事務職の業務も極力在宅で行えるように体制を整えたりしました。

 

メディカルユアーズ/ロボット薬局の特性生かし非接触医療サービスを開発

処方箋枚数は、対前年同月比で4、5月は20%減少しました。経営への影響は甚大です。

新型コロナウイルス感染予防のために、飛沫防止、消毒液の設置、マスクの配布、換気、ソーシャルディスタンス等の基本的な感染対策を徹底しました。

ロボット薬局の特性を活かして、オンライン診療とオンライン服薬指導と自動薬剤受取機を組み合わせた「非接触医療サービス」としての新しい調剤ワークフローの開発に取り組んでいます。

 

ファーマシィ/電話での服薬指導サポートを強化

受診抑制の影響で処方せん枚数は減りましたが、この機会をプラスに捉え、より対人業務へのシフト・強化ということで電話での服薬指導やその後のサポートコールを積極的に取り組むようになりました。

 

一般的な対策となってしまいますが、受付、投薬カウンターへのアクリルボード設置、こまめな手指消毒、フェイスガードもしくは眼鏡をかけて業務をしておりました。キッズスペースやティーサーバー、雑誌など患者さんが手に取るものは利用中止にしました。

また、出入り口の自動ドアは開けっぱなしにし、待合の椅子の数を減らして密にならないようにしました。

 

竹の葉薬局/公私ともに感染対策を徹底

竹の葉薬局を運営する株式会社バンブー代表取締役。介護事業、美容事業も行っている。「みんなで選ぶ薬局アワード」を主催する一般社団法人薬局支援協会代表理事。薬剤師ライターとして、メディカルサポネットで「この薬局がすごい!」を連載中。竹の葉薬局は同連載の第1回に登場。

 

店舗での感染対策を徹底して行っています。具体的には、マスクの着用(各店舗に郵送)、こまめな手の消毒、店舗内の消毒、うがいの徹底、高頻度で行う十分な換気、必要に応じてゴム手袋、ゴーグルの着用、アルコール消毒の設置、必要に応じて0410対応(電話による服薬指導)などです。

 

薬局・介護の現場は言うまでもなく感染リスクが高く、重篤化しやすい患者・利用者さんとの接触機会が多い場所でもあります。できる限りの対策に努めるようにしています。防護に関わる物資不足に関しては、薬局間で情報共有して調達しています。

 

個人の行動についても自粛を要請しました。具体的には、公共交通機関の利用を最低限にすること、それが難しい場合には混雑を避けて時差出勤できるよう調整をお願いしています。また、公私ともに3密(密室、密閉、密接)は確実に避けること、出勤前に必ず体温測定をすること(37.5℃以上での出勤は認めない)、体調が悪かったりいつもと違う様子が見られたりするときには早めに上長に伝えてもらうことも要請しています。

 

緊急事態措置案をもとに、各店舗の営業時間の短縮、人員編成の調整、休業についても検討しています。社会保険労務士と相談しながら、休業が必要な店舗は早急に各事業部長と相談して緊急対応ができるように整えています。

 

パル薬局/消毒の徹底と啓もう活動を実施

私の薬局では昨年と比べると、月に約600枚あった処方箋が約500枚まで減りました。近くのクリニックが皮膚科・耳鼻科なのでこういった診療科での患者受診抑制が影響していると思われます。在宅患者さんの増減は特にありませんが、施設では入居待ちの方が増えているようです。

 感染対策としては、カウンターにエチケットカーテンを導入しています。新型コロナ疑いの患者さんが来局された場合、駐車場で待ってもらったりして接触を減らすようにしたり、来局した場合は、都度手洗い消毒をスタッフの人にしてもらっています。

在宅現場では、患者さんとの接触をさけるために 身体に触れるフィジカルアセスメントは避けています。往診同行時には、感染症疑いの患者さんの場合、部屋の外で待機するようにしました。アルコールスプレーを携帯し、触れる場合には前後で消毒を行っています。

薬局内に掲示した新型コロナウイルスの感染予防に関する掲示物

 

新型コロナウイルスに関する正しい情報をまとめた掲示物を作成して薬局に掲示し、正しく予防してもらうように啓蒙活動を行っています。

 

 

ヒルマ薬局小豆沢店/消毒用エタノールの販売など最小限のことを

コロナ対策ですが、特にこれと言って過剰にやり過ぎないようにしています。確かに不安を抱える方がたくさんいらっしゃると思うのですが、「ここでも・・」「ここでも・・・・」とストレスを抱えてしまうと、かえって負担になってしまうのではないかと思っています。

 

ただ、薬局にはお客様用の手指消毒剤とビニールカーテンの設置はしました。

また、薬局製剤で消毒用エタノールが作れるので、それを作って販売しています。熱中症対策の一環としてハッカ油スプレーを塗布したマスクも作成し販売しています。 

他に、感染対策をまとめた手作り新聞を作成して地域の方(民生委員・町内会など)に町内会の回覧板で見てもらっています。 

心がけているのは、これと言って特別なことはせず、皆さんの負担にならないように配慮して薬局を続けている感じです。

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