編集部より

一般的な企業でも新人研修で習う接遇マナーですが、医療機関や介護施設での接遇マナーは事業会社・小売店や飲食店などとは異なる側面を持ちます。足が痛くて治療に来ている患者さんに席次が良いからと遠い奥の席をすすめたり、体調が悪い利用者さんのところに強い柔軟剤の香りをさせて行くなどの行動は、医療機関職員や介護事業所職員なら避けたいものです。基本的な接遇マナーとその考え方を学びながら、本当に相手のためを思った行動ができるように工夫していきましょう。

講師は病院、薬局などで20年を超える患者対応経験があり、薬剤師資格を持った医療接遇コミュニケーションコンサルタント、村尾孝子さんです。

 

第3回は、医療接遇で配慮したいポイントとして、医療・介護者の身だしなみについて解説します。職場での具体的な事例を想像しながら学んでいきましょう。

 

執筆/村尾 孝子(医療接遇コミュニケーションコンサルタント スマイル・ガーデン代表)

編集/メディカルサポネット編集部

  こちらを振り向く身だしなみが整った看護師

 

 前回は医療機関・介護施設で気を付けたい接遇マナーのポイントをまとめてご紹介しました。今回から、項目ごとにひとつずつ詳しく説明していきます。各論の初回は、すべての医療・介護者が身につけたい身だしなみについて取り上げます。

     

1. 医療介護者の身だしなみ

 身だしなみは、社会人に求められる基本的ビジネスマナーのひとつです。きちんとした身だしなみは、仕事に取り組む姿勢、清潔さや誠実さ、品格にもつながります。一緒に仕事をする相手に好印象を与えるための必須マナーでもあります。

 

 医療介護施設では、患者さん・利用者さんは最初に会った職員の第一印象でその施設全体のイメージを決定づけると言われます。人に与える第一印象がわずか5~6秒で決められ、その後、約3年間は良くも悪くもその印象が変わらないと言われることからも、身だしなみ・第一印象がいかに重要であるかが理解できます。職員ひとりひとりが施設を代表し、施設の顔であるという自覚を持って行動しましょう。

        

2. 医療・介護者の身だしなみのポイントは「清潔第一」

 医療・介護者の身だしなみについては、服装、髪型、化粧など、誰がどこから見ても清潔と感じることが大前提です。医療介護施設にはさまざまな年齢や職業の患者さん・利用者さんやご家族がお見えになります。自分と同年代の人には流行りのスタイルと分かっても、ご高齢の患者さん・利用者さんから見るとだらしないように見えてしまうのでは、身だしなみを整えたとは言えません。医療・介護者に求められる身だしなみの主役は患者さん・利用者さんだということをしっかり自覚したいものです。

 

【医療・介護者の身だしなみのポイント】

 ①清潔であること(清潔感があること)

 ②機能的であること

 ③施設(雰囲気)に調和していること

 

3. 「身だしなみ」と「おしゃれ」の違い

  第一印象の「見た目」に大きく関係しているのが外見=身だしなみですが、身だしなみとおしゃれの違いは何でしょうか?「身だしなみ」とは、人のためにすることであり、人に不快感を与えないように、言動や服装を整えること、また、その心がけを示します。見だしなみは、相手の目、すなわち患者さん・利用者さんの目が基準になります。患者さん・利用者さんが「清潔そう」「信頼できそう」「安心できる」「優しそうな人」と思うなど、あなたを見る相手が決めるものなのです。医療・介護者としては、清潔感や品性漂うもの、そして控え目であることが求められます。

 

 一方「おしゃれ」とは、自分のためにすること。服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配ることです。つまり、自分の目・自分の好みが基準になります。

施設内では、患者さん・利用者さんに安心・安全をお届けできるよう、それぞれの職場環境にあった服装・姿勢・動作などの身だしなみに細心の注意を払いましょう。

  

4. 施設外でも医療・介護者として信頼される身だしなみを

 地域に根ざした活動をするためには、笑顔や挨拶に加えて、医療・介護者らしい身だしなみも重要な要素です。

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