2022.07.12
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vol.5 事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

5分で読めるポイント解説 介護職労働実態調査

これまでの記事で、介護職員の労働実態(具体的にいつ・どんな理由で転職を検討するのか、新しい職場で戸惑った事・困ったこと、職場で感じるストレス要因、有給休暇の取得)についてご紹介してきました。記事をご覧いただいた上で、「現在活躍する職員の離職を防止するための工夫は、具体的に何をすれば良いのだろう?」「職場環境をどう変えたら良いのだろう?」と、疑問が生じた方も多いと思います。当記事では、事業者側の取り組み実態を明らかにし、「労働環境の改善策や人材を定着させるための工夫」について、「介護職白書2021年度版」のデータをもとに詳しくご紹介します。
 
編集・構成/メディカルサポネット編集部

vol.5  事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

 

以下は「介護職白書2021年度版」における、事業者の労働環境改善・定着に関する取り組み状況についての調査結果です。

介護職員の過不足について

事業者に介護職員の配置状況を尋ねました。「やや不足している」という回答が 46.2%と最も多く、次いで「不足している」29.5%、「適正である」23.1%、「余剰がある」と「やや余剰がある」0.6%の順に挙げられました。

 

vol.5  事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

 

介護職員数が「不足している」「やや不足している」と回答した事業者(全体の75.7%)に不足していると感じる理由を尋ねました。

 

vol.5  事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

 

「介護サービスの質を十分に確保するには不足している」が 61.0%と最も多く、次いで、「介護職員の労働環境の改善や定着のための対策を実施するには不足している」50.0%、「特に夜間帯の人手が不足している」24.6%、「事業の拡大をするためには不足している」23.7%の順に挙げられました。事業者の多くは介護サービスの質の確保、介護職員の労働環境の改善と定着のための対策を実施できるほどの余裕はないと感じていることが推察されます。

 

  

労働環境改善・定着に関する取り組みについて

事業者に介護職員の労働環境改善・定着のために何らかの取り組み(人員の確保・勤務シフト・業務効率化・待遇改善など)を実施しているか尋ねたところ、「実施している」が 59.0%と際立って多く、次いで「取り組む必要があるが、余裕がなく実施できていない」23.1%、「実施を予定・計画している」8.3%、「取り組む必要があるが、大きな問題となっていないので実施していない」5.1%、「取り組む必要がないので実施していない(すでに働きやすい環境である)」4.5%の順に挙げられました。

 

vol.5  事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

 

全体の95.5%は介護職員の労働環境改善・定着のために何らかの取り組みが必要としていますが、そのうちの約3分の1は実施の予定・計画まで至っていないことがわかります。

 

vol.5  事業者が取り組む労働環境改善・定着施策をご紹介!

 

一方で、介護職員の労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」「実施を予定・計画している」と回答した事業者に、どのような取り組みを実施・計画しているか尋ねたところ、「教育・研修・スキルアップ支援」が 70.5%と最も多く、次いで「休暇の取得促進」67.6%、「シフトの組み方など、勤務形態の工夫」61.9%、「時間外労働の削減」61.0%、「賃金引き上げなどの待遇改善」56.2%、「十分な介護職員数の確保」と「育児・介護支援」47.6%が上位に挙げられました。

また、介護職は上司や同僚との人間関係に最もストレスを感じていることが示されていますが、そのために必要な取り組みと考えられる「職員間のコミュニケーションの活性化・円滑化施策」は40.0%、「ハ

 

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