外国人労働者を雇用するには?

 

日本では少子高齢化による人手不足で、多くの企業が従業員の採用・雇用に苦戦しています。その対策の一つとして、外国人労働者の受入れが進んでいます。

外国人労働者の受入れは、日本人対象では採用することが難しい地域や職種で従業員を確保できたり、訪日観光客への対応ができたりするメリットがある一方、文化ギャップによるトラブルなどのデメリットもあり、それらを含めて外国人の受入れ検討していくことが重要です。

 

本記事では、現在の外国人労働者数から見る日本の外国人需要、受け入れのメリット・デメリット・問題点を客観的に解説。また、実際の採用方法や、受入れの際に注意すべき事項もご紹介します。

 

統計から見る外国人労働者数と需要

近年、国内の企業のあいだでは「募集をかけても採用できない」と、人材の確保に苦労する声があがっています。ご存知の通り、少子高齢化により生産労働人口が減少しているためです。

 

厚生労働省が発表している有効求人倍率をみると、2019年12月の有効求人倍率は1.57倍。これは求職者ひとりに対して1.5件の求人があることを指し、有効求人倍率が1を超えた2014年ごろから、国内の採用は売り手市場です。

 

一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について|厚生労働省

一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について|厚生労働省

 

一方で、国内で働く外国人の数は右肩上がりで増えています。厚生労働省が発表している『「外国人雇用状況」の届出状況』によれば、2019年10月末時点で国内に滞在する外国人労働者数は166万人を突破し、過去最高記録を更新しました。在留資格別外国人労働者数の推移をみても、2008年から10年間で2倍以上も増加していることがわかります。

 

内訳を見てみると、身分に基づく在留資格は近年あまり変化はありませんが、資格外活動、技能実習、専門的・技術的分野の在留資格は大きく増加し、割合を増やしています。こうした数字からも、国内の人手不足を伴うため、外国人を雇いたいという需要が高まっていることがわかります。

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和元年 10 月末現在)|厚生労働省

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和元年 10 月末現在)|厚生労働省

 

政府は、飲食業や宿泊業などの人手不足が深刻な業界で外国人が働けるよう範囲を広げた在留資格「特定技能」を新しく作るなど、人手不足への対応を進めています。

 

国別の割合

次に国別の割合を見てみましょう。

 

国籍別外国人労働者の割合

 

最も多い外国人労働者は中国で全体の25.2%を占めています。続くのがベトナムで全体の24.2%。こちらは、技能実習や特定技能の在留資格の外国人労働者の数は多いことから増加しています。

 

ちなみに、ベトナム人は、技能実習生は2017年時点で全体の45.1%、特定技能は2021年6月時点で全体の62.4%を占めています。

 

外国人労働者の推移

 

伸び率で見てみると、中国人はほぼ横ばいなのに対し、ベトナム人は2015年から急増。ベトナムは海外への出稼ぎが珍しくないため制度が整っていること、日本より賃金水準が低いことから、ベトナム人は日本で働くことを選びます。

 

ただし、ベトナムと日本の賃金格差は縮まりつつあり、このままだと日本で働く選択は減っていくと予想されています。

 

そのほかの国を含めた、国別の外国人労働者数については以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

2019年創設 外国人労働者受け入れ制度「特定技能」

2019年4月に入管法が改正され、新たに在留資格「特定技能」が創設されました。人手不足が深刻な産業分野全14業種において、外国人材の受け入れを可能にしたものです。14業種には介護・農業・漁業・宿泊・外食業などがあります。詳しくは関連記事で解説していますので、ご覧ください。

 

 

特定技能の特徴① 単純労働が可能

人手不足に対するために新設された在留資格であることから、単純労働を行うことが可能で、幅広く業務に携わることができます。

 

在留資格によっては単純労働ができません。例えば、就労ビサの代表格と言われる「技術・人文知識・国際業務」では単純労働はできません。「技術・人文知識・国際業務」は専門職であり、専門知識を必要としない、あるいは学籍・職歴や文化と関連しない業務は行うことができないからです。

 

特定技能の特徴② 試験に合格することで取得が可能

特定技能は2種類の試験に合格することで、取得が可能です。

 

取得を希望する外国人の学歴要件は不要なので、それだけ取得希望の外国人にとっては敷居の低い在留資格と言えます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の場合は、「上陸許可基準適合性」というものがあり、決められた分野の大学卒や10年以上の実務経験が必要になります。

 

在留資格「特定技能」1号・2号とその違い

特定技能には1号と2号があります。2つの大きな違いは、在留期間です。「特定技能」1号では在留期間の上限が「5年」なのに対し、「特定技能」2号の場合は上限がありません。また、「特定技能」2号の場合は、要件を満たすことで家族帯同もできます。

 

現在2号は「建設業」と「造船・舶用工業」の2分野のみですが、他分野でも2号を設ける方向で調整にはいっていると報道されています。

 

 

間違えやすい?「技能実習」と「特定技能」

どちらも近年頻繁に耳にする在留資格ですが、名前が似ているため間違われることも多いようです。違いを見てみましょう。

技能実習 特定技能
目的 技能移転による国際貢献 労働力の確保
人数制限 あり 建設・介護を除いて無し
在留期間 5~10年 1号:5年、2号:10年
転職 転職という概念はない。場合によって「転籍」が可能。 同一職種であれば転職が可能。
家族滞在 不可 2号のみ可
関与する主体 外国人本人(技能実習生)送り出し機関・
受け入れ先機関(企業)・監理団体・技能実習機構
外国人本人企業※登録支援機関への委託は必須ではない。
⑧支援を行う団体 監理団体 登録支援機関

 

大きな違いは、その設立目的です。人手不足解消を目的とした特定技能とは違い、技能実習は、外国人への技能移転・国際貢献が目的です。そのため就労目的となることは基本的にできず、転職が不可であったり、家族帯同が不可だったりします。

 

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外国人労働者受け入れの4つのメリット

 

 

 

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