たむら薬局を展開する江古田では、近隣病院でクラスターが発生し、新型コロナ関連の相談を受けることが4月から急増しました。受診抑制の影響で、小児科とアレルギー科を主に受けている1店舗では応需枚数が減りましたが、他の店舗ではより面で応需するようになり例年通りか例年以上に増えました。コロナ禍の今、門前から地域薬局へのパラダイムシフトが起こっている気がしています。
今までOTC販売に力を入れるなど処方箋以外の物販ルートを模索し続けてきました。今回、主な仕入れルート先の一つである紅白薬業協同組合の薬局経営者の仲間と共に生地メーカーに依頼し、繰り返し洗って使えるマスクを生産・販売を4月から始めました。また、不織布マスクや消毒液、体温計、トイレットペーパー、ティッシュなどは、新たな仕入れ先の開拓を強化し、緊急事態宣言が出された期間中もほとんど欠品することなく提供し続けることができました。また、学校薬剤師として担当している幼稚園に、6月1日の再開に合わせてキッズ・ジュニア用のマスクの寄付もさせていただきました。この時期の処方箋枚数はそこまで増えませんでしたが、「この薬局に来れば何かあるかもしれない」と処方箋なしで来局される方が増え、その方々が次は処方箋を持って来てくれるようになり、会社全体として昨年より売上は増えました。
「地域の人たちに必要なのは地域に根差したかかりつけ薬局だ」という思いを今こそ伝えたいと思い、かかりつけ薬局を持つメリットをまとめたリーフレットと、新型コロナウィルス感染症対策の特例措置の案内リーフレットをオリジナルで作成しました。店内に張り出したり、来局された際に渡したり、商店会や町内会の方、在宅などで知り合いの他職種の方に案内したり、SNSで発信したりしています。0410通知が出て以降実際、「今までは病院の前でもらっていたお薬だけど、電車に乗って都心まで行きたくないのでここでもらえる?」と相談されることも増え、住んでいる地域でかかりつけ薬局を持つことの必要性を認識してもらえたと感じています。