2022.05.23
5

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

専門家コメント(一般社団法人コグニティブ・サポート 代表理事 小林香織氏)

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

「職場の人間関係で悩み鬱症状が出てしまった」「労働が過酷で病んでしまった」など、職場を取り巻く環境や業務内容が変化するとメンタルヘルスに不調を感じる方が多くなります。医療機関・薬局・介護施設の管理職は職員が抱える心身の問題に焦点をあて、ストレスを軽減するために解決策を導くことが求められています。本記事では、部下がメンタルヘルス不調になる要因を解説したうえで、管理職が行うべきメンタルヘルスケアと休職した部下が職場復帰する際の支援を中心にご紹介します。

また、介護職員向けのメンタルヘルスやストレス対策・研修、経営者へのコーチング活動などの支援を行っている一般社団法人コグニティブ・サポート 代表理事 小林香織氏よりコメントをいただいたので、こちらも併せてご覧ください。

 

 

1.医療・介護職員が感じるストレス要因とは

厚生労働省が2015年11月に公示したメンタルヘルスのガイドライン「労働者の心の健康保持増進のための指針」のなかで、メンタルヘルス不調とは、「精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むものをいう」と定義されています。つまり、心の健康状態が不安定な場合をメンタルヘルス不調と表現されます。では、医療・介護職員はどんなことが原因でストレスを感じるのでしょうか。株式会社マイナビの人材紹介サービス「マイナビ看護師」「マイナビ薬剤師」「マイナビ介護職」のご登録者を対象に、「労働実態」・「就労志向」・「転職志向」などのテーマについてアンケートを実施しました。このアンケート調査をまとめた資料によると、以下の様な結果がわかりました。

 

看護職

Q.仕事をする上でストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

Q何に対してストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

薬剤師

Q.仕事をする上でストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

Q.何に対してストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

介護職

Q.仕事をする上でストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

Q.何に対してストレスを感じますか?

職員のメンタルヘルス不調を防ぐために管理職が取り組むべき内容とは?

 

 

この調査結果を読み解くと、医療・介護職員は上司や同僚との人間関係が悪く、仕事量が多い職場環境や仕事の内容でミスマッチがあった場合にストレスを感じるということがわかります。医療・介護業界で就業する方は人の命や健康を預かるという高い緊張感の中、限られた時間で効率的にサービスを提供することが求められます。その中で管理職は部下が感じるストレスを少しでも多く軽減し、働きやすい職場づくりを行うことでメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことができると考えられます。

 

\「労働実態」「就労志向」「転職志向」などの詳しいアンケート結果は下記を参照ください /

看護師白書

薬剤師白書

介護職白書

 

2.管理職が行うべき部下のメンタルヘルスケア

厚生労働省は2015年に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を定め、職場におけるメンタルヘルス対策の推進を始めました。その指針の中には、「セルフケア」、「ラインケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」という4つのメンタルヘルスケアが示されています。ラインケアは、現場で就業する部下のメンタルヘルスを管理職がケアすることをいいます。管理職は普段の業務でマネジメントを行うだけでなく、部下の心身を守るという義務も課されています。では、どのようなラインケアを行うべきなのでしょうか。厚生労働省…

 

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP