今週のトピックスが１分でわかる「週刊まとめ１分ニュース」。約10秒で読める要約を付けた記事５本をお届けします。
１.アレルギー性疾患治療薬「ビラノア」に「重大な副作用」新設、「ショック、アナフィラキシー」を追加（12月6日）
厚生労働省は日本製薬団体連合会に対し、アレルギー性疾患治療薬の「ビラノア」（一般名：ビラスチン）などの添付文書改訂を指示する通知を発出した。ビラスチンでは「重大な副作用」の項を新設し、「ショック、アナフィラキシー」を追記する。改訂は、国内外の症例の集積を受けたもの。抗悪性腫瘍薬で免疫チェックポイント阻害薬の「テセントリク」（アテゾリズマブ）では、「重大な副作用」の項に「血球貪食症候群」を追記。抗悪性腫瘍薬で分子標的薬の「タグリッソ」（オシメルチニブメシル酸塩）では、「重大な副作用」の項に「うっ血性心不全、左室駆出率低下」を追記する。
２.痛風・高尿酸血症治療薬「ユリス」など承認へ─医薬品第一部会（12月5日）
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は、富士薬品が承認申請した痛風・高尿酸血症治療薬「ユリス」（一般名：ドチヌラド）などの医薬品の製造販売を審議し、了承した。ユリスは腎臓の近位尿細管管腔側に発現するURAT1（尿酸再吸収に寄与するトランスポーター）を選択的に阻害。尿酸の尿中排泄を促進し、血清尿酸値を低下させる。2019年10月現在、海外においては開発されていない。
３.複数の精神疾患に共通の大脳白質異常を発見 NCNP精神保健研究所の橋本部長ら（12月3日）
国立精神・神経医療研究センター（NCNP）は、4大精神疾患におけるMRI拡散強調画像を用いた大脳白質構造についての大規模解析を実施し、統合失調症と双極性障害における大脳白質領域の異常は似通った病態生理学的特徴を持ち、自閉スペクトラム症とうつ病における異常は軽微で健常者に近い生物学的特徴を有することが分かったと発表した。NCNP精神保健研究所精神疾患病態研究部の橋本亮太部長らの研究グループは全国の12研究機関から統合失調症、双極性障害、自閉スペクトラム症、うつ病、健常者の計2937人のMRI拡散強調画像データを収集。解析の結果、統合失調症と双極性障害では、脳弓や帯状束のような大脳辺縁系の白質領域に共通してFAの低下もしくはMD、AD、RDの増加が見られた。
４.薬剤耐性菌、国内で年8千人超が死亡 国際医療センター病院など調査（12月6日）
抗菌薬が効かない薬剤耐性菌によって2017年に国内で推計8,000人超が亡くなったとする調査結果を、国立国際医療研究センター病院が公表した。薬剤耐性菌による死亡者数の調査は国内初。フルオロキノロン耐性大腸菌の菌血症による死亡が近年増加しており、早急な対策が求められている。調査では、薬剤耐性菌の中でも検出の頻度が高いとされるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）と、フルオロキノロン耐性大腸菌（FQREC）の菌血症による国内の死亡者数を検証。MRSA菌血症による17 年の年間死亡者数は推定4,224人で、11年から3割近く減少した。一方、FQREC菌血症による死亡者数は推定3,915人で、11年と比べて9割近く増えていた。
５.看護職員の確保、日看協が入院基本料の引き上げを要望 看護補助者の配置に関する評価の引き上げも（12月3日）
日本看護協会（日看協）は、2020年度の診療報酬改定に関する要望書を厚生労働省に提出したことを明らかにした。医療従事者の働き方改革に必要な看護職員の確保が可能となるよう診療報酬での入院基本料を引き上げることなどを求めた。20年度改定に向けて日看協が同省に要望書を提出するのは、5月14日以来2度目。今回は、主に看護職の負担軽減に焦点を当てた。看護職員からのタスクシフトやタスクシェア、勤務環境改善を推進するには看護補助者の確保が「喫緊の課題」だとし、看護補助者の処遇を改善して確保できるよう看護補助者の配置に関する評価の引き上げも求めた。
メディカルサポネット編集部
