2018.05.15
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優生手術、都立松沢病院で11人に実施 報告書や遺伝調査書など発見

メディカルサポネット 編集部からのコメント

1948年~1996年に施工された旧優生保護法のもと、強制的実施された不妊手術について、厚生労働省は都道府県に通知を出し、医療機関や障害者施設などに適切な資料の保管を求めています。

 

旧優生保護法(1948-96年)下で強制的な不妊手術が精神障害者らに実施されていた問題で、東京都は14日までに、都立松沢病院(世田谷区、精神科808床、一般90床)で11人に優生手術を実施していたことを明らかにした。同病院で優生手術実施報告書や遺伝調査書などの記録(1950-63年)が見つかり、30人の個人名が判明したという。【新井哉】

 

都によると、同病院で、▽優生手術申請書(27人分)▽人工妊娠中絶手術申請書(1人分)▽健康診断書・遺伝調査書(29人分)▽優生手術適否決定通知書(10人分)▽優生手術実施医師指定通知書(8人分)▽同意書(10人分)▽優生手術実施報告書(11人分)―が見つかった。

 

個人名が分かった30人の性別は、男性が9人、女性が21人。年齢は20歳未満が2人、20歳代が14人、30歳以上が12人で、「不明」が2人いた。病名は「精神分裂病」(現統合失調症)が20人、「その他」(てんかんなど)が10人。

 

都は優生手術の申請理由も明らかにした。例えば、周期的に悪化し、状態が良い時は社会生活が可能な患者については「発症後、家庭にある時、男性との性的関係を結ぶ」と記載。1年に1-2回、軽い「緊張病性興奮状態」になる患者についても「性的脱線行為を繰り返し、妊娠して人工中絶を一度やっている」といった理由を挙げている。

 

この問題をめぐっては、旧優生保護法下で強制的な不妊手術が行われたことが各地で報告されている。厚生労働省は4月25日、都道府県などに通知を出し、医療機関や障害者施設などで保有している資料を適切に保管するよう求めている。

 
出典:医療介護CBニュース

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