メディカルサポネット 編集部からのコメント新年度の介護報酬改定で、高齢者の不当な身体拘束をなくす対策が強化されます。訪問介護や通所介護などにも新たな規定が追加され、身体拘束は原則禁止で、やむを得ず行う場合は記録が必要です。厚労省は慎重な手続きと2年間の記録保存を要請しています。 |
《 介護保険最新情報Vol.1213 》
新年度の介護報酬改定では、高齢者の不当な身体拘束をなくすための対策が強化された。【Joint編集部】
訪問介護や通所介護、居宅介護支援など、これまで特に規定がなかったサービスも例外ではない。運営基準の見直しで「原則禁止」が明確化され、記録の作成も義務付けられることになった。高齢者の尊厳を守るための厳格化で、事業者や管理者らはルールの遵守や運用の徹底を求められている。
高齢者の不当な身体拘束は施設だけの問題、とは必ずしも言い切れない。厚生労働省によると、居宅サービスの現場でも悪質と判断されるケースが一部で生じている。
直近データの2021年度でも、身体拘束を含む人格尊重義務違反で指定の取り消し・停止となった事業所が複数ある。例えば在宅で居室を外から施錠したり、ベッドを冊で囲んだりする事例が報告されている。厚労省が対策の強化に踏み切った背景だ。
今回の改定で訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与・販売、居宅介護支援は、運営基準に新たな規定が書き込まれることになった。趣旨は次の通りだ。
訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与・販売、居宅介護支援の運営基準の追記概要
◯ 利用者、または他の利用者らの生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
◯ 身体拘束を行う場合、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
厚労省は昨年度末に出した運営基準の解釈通知に、緊急やむを得ない場合の判断基準として切迫性、非代替性、一時性を列挙。「この3要件を満たすことの組織としての確認など、手続きを極めて慎重に行うこと」と要請した。身体拘束を行った場合の記録については、「2年間保存しなければならない」と念を押した。
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出典: JOINT
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