2018.05.02
5

医療給付率の自動調整案、「あまりにも無責任」
~日医・横倉会長が反発

メディカルサポネット 編集部からのコメント

財務省が財政制度等審議会の分科会で提案する「給付率自動調整」に対し、日本医師会の横倉義武会長は「非常に問題が大きい」と指摘、反対の姿勢を示しました。

 

   

医療保険の支え手が減ることなどを見据え、「負担と給付のバランス」を取るための具体策として、財務省が財政制度等審議会の分科会で「給付率自動調整」を提案していることについて、日本医師会の横倉義武会長は1日の記者会見で、「あまりにも無責任だ」と述べた。【松村秀士】

 

財務省の提案は、保険料の支え手である現役世代が減り、高齢者が増える中で、支え手の負担能力を超えるような医療費の増加があった場合に給付率を調整するというもの。

 

財務省では、現役世代の負担能力を超えて医療給付が膨らんだら、保険料率の上昇を抑え、一定の計算方式に基づき、医療を受ける患者の窓口負担を増やして対応する形をイメージしている。この仕組みの導入により、医療保険制度の持続可能性を確保したい考えだ。

 

1日の会見で横倉会長は、財務省が提案する「給付率自動調整」の導入などについて、「非常に問題が大きい」と指摘。経済成長ができなかった場合に、「給付率で患者のみに負担を押し付けようという提案は無責任だ」とし、患者だけでなく、社会全体でカバーする必要があるとした。

 

また、賃金や物価水準などと給付水準をリンクさせるマクロ経済スライドを、医療保険制度で導入するという財務省案についても、横倉会長は「もし導入すると、患者の自己負担が過度に増加すれば、必要な医療にアクセスできなくなる恐れがある」とし、反対の姿勢を示した。

  
出典:医療介護CBニュース

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP