2019.03.29
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異なるシステムの新着患者情報をタイムライン表示
東京都がポータルサイトを構築へ

メディカルサポネット 編集部からのコメント

誰しも、パソコンや携帯電話など、システムの更新や機種変更による使い勝手の違いに戸惑った経験をお持ちのことでしょう。互換ソフトはとても心強い存在です。患者が転院される際、病院間でデータの連携ができると、医療機関の業務面でも、患者の負担・安全面でもメリットがあります。また、病床の空き状況の共有も可能となります。このたび、東京都は同時に複数のシステムをチェックできるポータルサイトの構築を発表しました。ただし、ITの利用にはセキュリティの対応が必要となることを忘れてはなりません。トラブルの対策・対応について、十分な対策と、ユーザーへの周知・教育が必要です。

  

 東京都は26日、都在宅療養推進会議の会合で、「東京都多職種連携ポータルサイト」(仮称)を構築する方針を示した。医療・介護関係者の広域的な連携を促す狙いがある。各地域で運用されている連携システムの仕様・規格が異なっていても、ポータルサイトのタイムラインで患者の更新情報の通知を受け取れるようにする。同時に複数のシステムをチェックする必要がなくなるため、都は「煩雑さが軽減できる」としている。【新井哉】

  

  

 多職種連携システムを巡っては、地域で異なるシステムを使っており、広範な地域の在宅患者を担当する診療所の医師・看護師、介護事業者らは、患者の情報を調べる際、複数のシステムをチェックして新着の情報があるか確認する必要があった。

 

 都によると、ポータルサイトは、「多職種連携タイムライン」と「患者転退院支援サイト」(いずれも仮称)で構成。各システムの患者情報が更新された際、タイムライン上で通知を受け取れる仕組みとし、この通知から各システムのログイン画面に移行し、患者情報にアクセスできるようにする。

 

 転退院支援サイトについては、入院患者の転院先を検索する際、病床の空き状況などを確認できるようにする。具体的には、エリアと病床機能などから受け入れ候補先の医療機関を検索すると、受け入れ候補先の医療機関一覧の結果に、リアルタイムで空床数や受け入れ可能な患者数が掲示されるという。都は「よりスムーズな転退院支援等を可能にする」としている。

 

 同会議の委員からは、セキュリティーの確保や個人所有のスマートフォンを使った場合の経費負担に関する質問が出た。ポータルサイトについては、今後、在宅療養推進会議ワーキンググループのICT作業部会で具体的な検討を進める見通し。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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