メディカルサポネット 編集部からのコメント3月7日に第6回科学的裏付けに基づく介護に係る検討会が開催され「科学的裏付けに基づく介護に係る検討のこれまでの経緯」「今後の課題の整理の仕方(案)」「今後のスケジュール(案)」などについて意見が交わされました。CHASE(Care, Health Status & Events)は、「科学的介護」のエビデンスを確立していく基盤となる国の新たなデータベースです。今後、医療関係者の実務にも影響が出てきます。 |
厚生労働省の「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」が7日、およそ1年ぶりに議論を再開した。2020年度からの運用を目指す介護の新たなデータベース「CHASE」で現場から収集するデータ項目について、19年の夏ごろに報告書をまとめる。収集すべきデータ項目については今後、夏までに月に1、2回開催して整理する。信頼性の高いデータを広く収集する観点から、厚労省案を軸に項目を絞っていく方向で意見が一致した。【吉木ちひろ】
座長を務める鳥羽研二・国立長寿医療研究センター理事長(7日、都内)
夏ごろまでにまとめる報告書では、CHASE稼働時の初期仕様を策定。運用しながら随時バージョンアップしていく。厚労省の担当者は、既に稼働している通所・訪問リハビリテーションの質の評価収集等事業「VISIT」同様、初めは任意の事業所から取り組みを開始して加算とデータの提出をひも付けていく可能性も示した。また、CHASE本格稼働の前にモデル事業の運用も検討していく。
同日の検討会では、収集するデータやその入力方法について老年医学、福祉、看護、リハビリ、栄養、情報システムなどの分野の専門家が意見交換した。収集するデータ項目については、現場の負担を抑える観点からアセスメントや介護報酬に関連した項目などを活用するよう求める意見と、介護の技術や介入の効果を向上させるための研究的な観点の必要性を指摘する意見があった。秋下雅弘構成員(東京大医学部附属病院老年病科教授)は、ポリファーマシーによる問題が一定程度浸透してきたことを例に、歩行や食事の訓練などによる骨折や誤嚥性肺炎のリスクについて「起こるべくして起こるという理解も必要」と指摘。介入の内容とネガティブなアウトカムのデータを収集する必要性について言及した。
介護現場に近い複数のオブザーバーからは、多くのデータを得るには、介護事業所、介護職員、サービスの利用者それぞれに適切で分かりやすいフィードバックが必要との指摘があった。
出典:医療介護CBニュース