2019.03.08
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東京で風疹患者増、2018年の流行上回るペース
ワクチン接種費が課題、自己負担求める区市町村も

メディカルサポネット 編集部からのコメント

東京都の風疹の流行のペースに、行政が追い付けない状況が続いています。住んでいる地区でどこまで補助を受けられるかが異なりますので、患者からの問合せの対応にはご注意ください。東京都感染症情報センターでは年齢階級別・性別報告数も発信しています。20代~40代男性の報告数が群を抜いています。東京保険医協会は先天性風疹症候群の予防を目的としたMRワクチン接種費用の無料化を求める緊急要望書を提出していますが、まだ対応には時間がかかりそうです。

 

 東京都内の風疹の患者報告数が2週連続で増えていることが6日、東京都がまとめた患者報告で分かった。都内で風疹が流行した2018年の患者報告数を上回るペースで増えている。感染の拡大防止や先天性風疹症候群の予防にはワクチン接種が有効とされているが、対象者の接種費用を「無料化」していない区市町村があり、対策の足並みがそろっていない。【新井哉】

 

 

 都によると、2月25日から3月3日までの1週間の患者報告数は、前週比6人増の39人で、2週連続で増加した。19年の累計患者報告数は219人となっており、このままのペースで増え続けた場合、前回流行した18年の患者報告数(947人)を上回るのは確実だ。

 

 都が18年10月に発表した「緊急対策」では、検査で抗体価が十分でない、妊娠を予定・希望する女性や妊婦の同居者などを対象に、風疹含有ワクチンを接種する経費の半額を区市町村に補助している。

 

 都の補助を受けて接種費用を「無料化」した区市町村がある一方で、都の補助で足りない分を対象者に自己負担させる区市町村が少なくない。例えば、新宿区では、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)が5210円、風疹単独ワクチンが3140円といった自己負担額をホームページに掲載している。

 

 足立区も同様の自己負担額(MRワクチン5000円、風疹単独ワクチン3000円)を設定。江戸川区は助成対象をMRワクチンに限定し、5300円を自己負担するよう求めている。このような区市町村では、対象者の自己負担が高いハードルとなり、「無料化」の区市町村と比べて接種率が低くなる恐れがある。

 

■都が全額負担し接種費用の無料化を

 

 対象者の自己負担を解消しようと、東京保険医協会は2月18日、ワクチン接種費用に関する要望書を小池百合子知事らに宛てて提出した。20年のオリンピックの開催都市として、国際社会から万全の感染症対策を求められていることを指摘。先天性風疹症候群の予防を目的とした風疹予防接種事業の経費について、「全額を東京都の負担とし、対象者のMRワクチン接種費用を無料化すること」としている。

 

  

 出典:医療介護CBニュース

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