2018.12.18
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日医「妊婦加算、理解得られる点数設定が第一」

メディカルサポネット 編集部からのコメント

12月19日の定例会にて、2019年1月からの算定凍結が決まった「妊婦加算」について、中央社会保険医療協議会は妊婦の医療費自己負担分を軽減する措置の実施が広がるよう要望していく考えを示しました。医療関係者の皆様には建設的な意見を出し合って、誰もが納得する制度となることを願っています。

 

    横倉義武会長(左)と松本吉郎常任理事(19日、日医会館)

 

 中央社会保険医療協議会が19日、妊婦加算の2019年1月1日からの凍結を決めたことを受け、日本医師会(日医)は、妊産婦に対する慎重な対応を報酬上で引き続き評価すべきとの姿勢を示した。同日の定例記者会見で、横倉義武会長は「理解をいただける点数設定をしていくのが第一。(妊婦加算は)名称も含めて誤解を与えるものだった」と話した。【吉木ちひろ】

  

 妊婦加算は、18年度診療報酬改定で新設されたが、9カ月でいったん運用を停止。今後は妊婦に対する丁寧な診療を評価する枠組みを20年度改定に向け、改めて中医協で協議する。会見に同席した松本吉郎常任理事(中医協委員)は、「医療技術を診療報酬で評価するという手法は変更できない」「患者さんの自己負担という観点は、保険制度全体で議論すべきもの」との認識を示した。横倉会長は「小児の医療については、それぞれに自治体で自己負担分の軽減が図られている。青森県では妊婦も対象。そういうものを広げていただきたいという要望は別途やっていく」とした。

  

 妊婦加算の新設には、通常よりも慎重な対応が必要な妊産婦に対する診察を評価するという趣旨があった。松本常任理事は「点数設定に反した取り扱いがあり、妊婦さんに不快な思いをさせた事例が生じたことは遺憾」としながらも、妊婦に対してコンタクトレンズを処方した場合などに同加算の対象となるかどうかは、「微妙な問題」との考えを示した。不適切な事例には、診療中に患者が妊婦であることが確認できなかったにもかかわらず、加算を算定することを挙げた。厚生労働省が3月30日に示した18年度診療報酬改定の疑義解釈(その1)では、妊婦が感冒等の妊娠に直接関連しない傷病について受診を行った場合の算定に「可能」との解釈を示している。

  

 また、加算の凍結までの手続きについて松本常任理事は「中医協の検証も、議論も経ることなく、本加算の凍結について諮問がなされた。大変違和感がある」と述べた。医療現場の混乱や事務負担増加に対する懸念から、日医として同様の事例をつくらないことを要望しているという。

 

 

出典:医療介護CBニュース 

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