2018.12.14
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「妊婦加算」開始9カ月で凍結、根本厚労相が表明
中医協で再審議へ

メディカルサポネット 編集部からのコメント

妊婦が病院で診療を受けると自己負担が上乗せされる「妊婦加算」の運用を凍結する方針を示しました。2020年の改訂を待たずに、年内にも正式に凍結を決める方針です。少子化対策が叫ばれる中で、子育て支援と当事者負担のバランスが問われています。

  

 妊産婦が医療機関を受診した際に医療費に上乗せされる「妊婦加算」を凍結する―。根本匠厚生労働相が14日の閣議後の記者会見で表明した。凍結の具体的な時期については「速やかに対応する」とした。妊産婦に対する丁寧な診療を評価し、適切な医療提供体制を整備するための仕組みを中央社会保険医療協議会(中医協)に改めて諮る。【越浦麻美、吉木ちひろ】

 

妊婦加算凍結を表明した根本厚労相(14日、厚労省)

 

 妊婦加算(初診75点、再診38点)は、妊産婦が安心して受療できる環境を整備する観点から2018年度診療報酬改定時に新設された。一般に対して十分な趣旨説明がないまま制度が導入された点について、根本厚労相は「運用上の問題があった」との認識を示した。また、妊産婦であることを理由に患者の自己負担額が増す点を「『少子高齢化対策に逆行している』との批判があった」と説明。妊産婦が適切な医療を受けられる体制を整備するために「加算という仕組みが適当であるか、考えるべき時に来ている」と述べた。今後の運用などについては中医協に「速やかに諮る」とした。

 

 妊婦加算の運用を変えるだけでなく、加算制度の維持・継続についても審議される見通し。根本厚労相は、妊婦への診療を報酬上で継続して評価する場合は、加算の名称についても丁寧な診療が実感できるものとして再考の必要があるとし、「例えば、『妊婦安心加算』や『妊婦安心診療加算』といった名称も考えられる」との見解を示した。

 

 また、妊婦加算導入の経緯を「妊婦に対しては薬剤の選択、X線でのCT検査時などに慎重な対応が必要。こうした対応に積極的でない診療所が存在していた」と説明。日本産科婦人科学会などからの要望を受け、妊産婦に対する適切な診療を評価し、促すものだったとした。

 

出典:医療介護CBニュース 

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