メディカルサポネット 編集部からのコメント11月29日に厚生労働省で平成30年度 第6回薬事・食品衛生審議会 (薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)が開催されました。世界第2位の大手バイオ製薬会社、ギリアド・サイエンシズ社(アメリカ)が申請していた、初のC型非代償性肝硬変治療薬「エプクルーサ」等が、年内にも正式承認される見通しです。 |
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は11月29日、下掲の医薬品の製造販売や効能追加などの承認を了承した。年内にも正式に承認される見通し。
ギリアド・サイエンシズが申請した「エプクルーサ」は、「ソバルディ」として販売されているNS5Bポリメラーゼ阻害薬のソホスブビルと、NS5A阻害作用を持つ新有効成分ベルパタスビルの配合錠で、C型代償性肝硬変とC型慢性肝炎だけでなく、C型非代償性肝硬変にも効能を有する。C型非代償性肝硬変の国内患者数は約3.5万人と推定され、これまで最も有効な治療は肝移植とされてきたが、同薬が承認されれば初の治療薬となる。
■「キイトルーダ」、MSI-High固形癌にも拡大へ
MSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)には、新効能として「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌」の追加が了承された。MSI-Highは、DNAの複製ミスを修復する機能の異常を示すバイオマーカー。MSI-Highを示す患者の割合は、結腸・直腸癌では5.9%、子宮内膜癌や胃癌などではⅠ~Ⅲ期で10%、Ⅳ期で5%と報告されている。同薬の適応は臓器を特定しないが、標準的な治療が困難な進行・再発の症例に限る。なお、MSI-Highを検出するコンパニオン診断薬は既に承認・発売されている。
キイトルーダについてはまた、PD-L1陽性の有無にかかわらず非小細胞肺癌での投与を可能とする変更の承認も了承された。
販売名(会社名) | 一般名 | 効能・効果等 |
コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同150mgペン(ノバルティスファーマ) | セクキヌマブ(遺伝子組換え) | 既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎 |
ザバクサ配合点滴静注用(MSD) | セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム |
【適応菌種】本剤に感性のレンサ球菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌 【適応症】膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆囊炎、肝膿瘍 |
エプクルーサ配合錠(ギリアド・サイエンシズ) | ソホスブビル/ベルパタスビル |
①前治療歴を有するC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 ②C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 |
レベトールカプセル200mg(MSD) | リバビリン | ソホスブビル/ベルパタスビル配合剤との併用による、前治療歴を有するC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 |
キイトルーダ点滴静注100mg、同20mg(MSD) | ペムブロリズマブ(遺伝子組換え) |
①がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る) ②悪性黒色腫(術後補助療法にも使用可に) ③切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(PD-L1陽性の有無にかかわらず使用可に) ④悪性黒色腫の用法・用量を体重依存から固定用量に変更 |
①ビラフトビカプセル50mg ②メクトビ錠15mg(小野薬品工業) |
①エンコラフェニブ ②ビニメチニブ |
BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫 |
ビジンプロ錠15mg、同45mg(ファイザー) | ダコミチニブ水和物 | EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺癌 |
テセントリク点滴静注1200mg(中外製薬) | アテゾリズマブ(遺伝子組換え) | 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(化学療法歴がない場合の用法・用量を変更) |
ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg(中外製薬) | エミシズマブ(遺伝子組換え) |
①先天性血液凝固第Ⅷ因子欠乏症患者における出血傾向の抑制(インヒビター非保有患者にも使用可に) ②2週または4週間隔投与の用法・用量を追加 |
出典:Web医事新報