2018.11.30
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ゲノム編集で双子誕生に日医と医学会が声明「常軌を逸している」

メディカルサポネット 編集部からのコメント

ゲノム編集技術を使い、世界で初めて赤ちゃんを作り出し「遺伝子操作ベビーの誕生を誇りに思う」と主張している中国・南方科技大学の賀建奎教授に対し、「大学への報告がなかった」「学術上の倫理と規範に著しく反する」と騒ぎになっています。教授は「実験の機密性がもろく、データが漏れた」と述べ、会議での発表を前に騒ぎになったことへの謝罪はしつつも、「もし自分の子供に先天的な欠陥の可能性があるなら同じことをする」と断言しています。また、研究者としてだけでなく6つの会社を設立して研究資金を集める「ゲノム商人」としての活躍にも批判の声があがっています。中国政府は29日、研究の中止を求めたと発表しました。

 

日本医師会と日本医学会は30日、中国の南方科技大の賀建奎副教授がHIVへの感染を抑止するために、ゲノム編集技術を用いた受精胚を使い、双子の女児を誕生させたとの報道を受けて合同で声明を発表した。「人の尊厳を無視し、生命を軽視するものであり、国際的な倫理規範から見ても常軌を逸している」などと強く批判し、同様の非倫理的行為を行うことのないよう、ヒトゲノム編集の関係者に要請した。

声明では、「実際に誕生したのか、その真偽は不明」としながらも、この問題に関して重大な懸念を表明。「産まれてきた女児らの身体的、精神的、社会的な安寧を踏み躙るもの」「人類という種に対する影響も極めて不透明であり、無責任極まりない行為」と指弾した。

さらに、「HIVに関しては、他にも感染を防ぐ方法があることから、医学的必要性や妥当性はない」と指摘し、技術的に確立していないゲノム編集をヒト受精胚に適用することは、医学的・技術的な安全面から大きな問題があると強調した。

その上で、「このような非倫理的行為が今後二度と行われることのないよう、より一層注視していく」としている。

       

 出典:Web医事新報

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