2018.11.26
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神戸大医学部の地域枠推薦入試、医師不足地域の出身者に高配点―募集要項に明記せず

メディカルサポネット 編集部からのコメント

神戸大学の医学部入試でも不正処理が見つかりました。特別な措置を行う際は、根拠の公平性の見直し、情報の公開が必要です。

 

神戸大医学部は22日、地域枠の推薦入試において募集要項には明記せず、受験生の出身地域によって配点に差異を設けていたことを発表し、謝罪した。医師不足地域の出身者に高い配点としていた。

出身地域による配点は、2015年度の入試から実施。入試の配点合計1200点のうち書類審査100点の中で行っており、但馬・西播磨25点、北播磨・丹波・淡路20点、阪神北・東播磨・中播磨10点、神戸・阪神南0点―としていた。地域枠の推薦入試の募集人員は10人で、入学者には兵庫県から奨学金が支給される。

地域別の配点を行った理由について同大は①世界保健機関が2010年に発表した地方の医療人材確保のための政策ガイドラインで「へき地出身者がへき地医療に定着する率が高い」とされていた、②文部科学省の「今後の医学部定員の在り方等に関する検討会」で医師の地域定着率を高める必要があると議論されていた―ことを列挙。その上で、「兵庫県内で医師数、公的病院数、病床数が不足している地域を重視することが、地域に定着する医師の養成に資すると考えた」と説明する。

■追加合格の可能性も

同大は調査委員会を設置し、同日、配点の合否への影響に関する調査を開始した。調査結果は早急に取りまとめる予定。調査委員会の調査・判断によっては、追加合格者が出る可能性があるとする。追加合格があった場合、調査委員会の判断を踏まえ、受験生の金銭負担の補償も検討する。

なお、2019年度の地域枠推薦入試の募集要項にも地域別配点については明記していない。同大は、全国医学部長病院長会議が16日に公表した医学部入試に関する規範において、入試要項の明確化が求められていることを踏まえ、19年度は地域別配点を行わない方針。

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 出典:Web医事新報

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