2024.03.07
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マイナ保険証の登録率は全人口の約57%―厚労省が医療保険部会に報告

メディカルサポネット 編集部からのコメント

マイナンバーカードの申請者数は、総務省統計で2024年2月末段階で全国で9978万0208人と、全人口の約80%ですが、保険証がひもづけられたマイナ保険証はまだ約57%となっています。

厚生労働省は今年の12月に予定されている保険証廃止に向け、マイナ保険証の登録・使用率向上を目指しています。

   

厚生労働省は2月29日の社会保障審議会医療保険部会に、マイナ保険証の登録・利用状況を報告した。2024年1月末時点のマイナ保険証の利用登録は全人口の約57%で、オンライン資格確認におけるマイナ保険料の利用率は4.60%にとどまった。同省は診療報酬の加算や23年度補正予算の補助事業でマイナ保険証の登録・利用率向上を目指しているが、この状況が続けば、24年12月の保険証廃止による混乱を避けるため、大量の資格確認書が発行される事態となりそうだ。

 

■オンライン資格確認におけるマイナ保険証の利用率は4.60%

 

マイナンバーカードの保有者は24年1月末時点で9168万人で、全人口(1億2542万人)の73.1%。このうち保険証としての利用登録を完了したのは7143万人で、保有者の77.9%。これは全人口の56.9%に相当する水準だ。

  

24年1月におけるマイナ保険証の利用実績は753万3270件で、オンライン資格確認利用件数(1億6363万7531件)に占める割合(利用率)は4.60%だった。

 

マイナ保険証の利用率を医療機関の種別にみると、病院が10.81%、医科診療所が5.00%、歯科診療所が9.85%、薬局が2.69%。薬局の利用率が低い理由について同省は、処方箋があれば保険証やマイナ保険証の提示が不要であるためと説明している。

 

なお、紙の保険証による受診であって、オンライン資格確認を利用しない場合も含めた資格確認総件数(1カ月)は、直近で2.46億件(23年6月)。このため資格確認総件数のうちオンライン資格確認の割合は66%程度となることから、資格確認総件数に占めるマイナ保険証の利用率は3%程度とみることができる。

 

■オンライン資格確認、マイナ保険証の利用件数は横ばい傾向に

 

オンライン資格確認の月別の利用件数をみると、23年9月以降は1億6000万件~1億7000万件でほぼ横ばいの状況。マイナ保険証の利用件数も、23年3月の267万件から23年4月には829万件と急伸したものの、その後はやや減少し、23年7月以降は700万件台に落ち着いている。

 

年代別にマイナ保険証利用率をみると、「0~4歳」の0.74%から徐々に上昇し、最も高いのは「65~69歳」で7.03%。以降は急激に減少して「85歳以上」で1.66%となる。

 

都道府県別では、高いのは①鹿児島8.44%、②鳥取7.19%、③福井6.84%―など。低いのは①沖縄2.31%、②愛媛2.65%、③青森2.88%―などだった。

 

29日の医療保険部会で同省は、この都道府県別の利用率について、医療機関の窓口での声かけを「保険証を見せてください」から「マイナンバーカードをお持ちですか」に切り替えた施設の割合との間で「一定の相関がある」と紹介。

 

このため、医療機関の窓口・受付での対応やホームページ上の患者向け案内を見直す際に活用できるチェックリストを作成し、周知を図ると説明した。例えば、窓口での患者への声かけを「マイナカードをお持ちですか」に変更することや、ホームページの「受診の際持参するもの」の記載に「マイナカード(マイナ保険証)」を追加することなどを求めるとしている。

 

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出典:Web医事新報

 

 

 

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