2018.10.29
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看護需給推計、夜勤の回数などは反映せず
厚労省・分科会、おおむね合意

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚生労働省の看護職員需給分科会にて、看護職員の需給推計についてなどが話し合われました。夜勤の回数や勤務間インターバルについて盛り込んでほしいという要望については、現在は推計への反映は困難と判断されました。11月に開催予定の次回会合で推計案が提示される予定です。

 

 厚生労働省は29日、医療従事者の需給に関する検討会の「看護職員需給分科会」に、前回の会合での指摘を踏まえた推計方法への反映の方針案を示した。看護職員の夜勤の回数や勤務間インターバルについて、「推計することは現時点では困難」とし、需給推計に反映させないことを提案した。これに対して、強い反対意見は出なかった。【松村秀士】

 

 

 看護職員の需給を巡っては、9月の前回の会合で厚労省が、12月末を目途に都道府県に「推計ツール」を発送し、2019年3月までに都道府県の推計を集約する方針を示した。ただ、夜勤の回数や勤務間インターバルについて、構成員から「政策目標として盛り込むべき」「夜勤の時間帯は1病棟に最低3人は看護職員が必要ということを推計に見込んでほしい」といった意見が出ていた。

 

 こうした指摘を受けて厚労省は29日の会合で、夜勤体制の見直しや勤務間インターバルの確保に関しては、勤務割の工夫や夜勤専従者の確保といった増員を伴わない対応など、各医療機関が実態に応じてさまざまな対策を取ることが想定されることから、「一律の前提を置いて推計することは現時点では困難」とした。

 

 一方、勤務間インターバルの確保については、看護職員の勤務環境の改善に向けて重要な課題であるため、「必要な工夫や職員数との関係などについて今後研究する」ことを提案した。

 

 また、訪問看護の質の変化なども考慮すべきといった前回会合での意見に関しては、その変化などについてのニーズを定量的に見込む知見が現時点では整理されていないことから、「推計への反映は困難だ」とした。

 

 議論では、鎌田久美子構成員(日本看護協会常任理事)が、一定程度の勤務間インターバルの確保が要件となっている看護職員夜間配置加算について触れ、「これを算定している病院とそうでない病院の人数を比較すれば、インターバルを導入した場合にどのように人数に影響が出るか、ある程度は検討できるのではないか」と述べた。

 

 これに対して厚労省の担当者は、同加算の算定について、「実際にどのような体制になっているのかどうかのデータと結び付いているわけではない」と説明。また、「インターバル導入のためにどのような体制の強化を図ったのかなど、さらなるデータの収集が必要だと考えている」とした。鎌田構成員は「研究は速やかにやっていただきたい」と要望した。

 

 厚労省では、この日の意見を踏まえて、11月に開催予定の次回会合で推計案を提示する予定。

 出典:医療介護CBニュース

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