2023.12.22
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■NEWS 診療報酬改定0.88%引き上げの内訳が固まる―武見・鈴木大臣折衝で

メディカルサポネット 編集部からのコメント

20日、武見敬三厚生労働大臣と鈴木俊一財務大臣が診療報酬改定、介護報酬改定など来年度の予算の主要な点について折衝し、合意しました。診療報酬本体は+0.88%、薬価改定等合わせた総合で-0.12%、介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%の引き上げとなりました。各科改定率、看護職員等について、マイナスになった薬価についてなど詳細も本文に解説されています。

  

武見敬三厚生労働相と鈴木俊一財務相は12月20日午前、来年度予算編成に関して財務省で事前折衝を行い、診療報酬改定、介護報酬改定など主要事項について合意した。これを受けて政府は22日に来年度予算案を閣議決定する予定。

 

診療報酬改定の内訳の詳細も固まった。それによると、本体+0.88%(国庫800億円程度)のうち、(1)以下の(2)~(4)を除く分として+0.46%(各科改定率は医科が+0.52%、歯科が+0.57%、調剤が+0.16%)、(2)看護職員等について+0.61%、(3)入院時の食費基準額の引き上げの対応で+0.006%、(4)生活習慣病を中心とした管理料、処方箋料等の効率化・適正化で△0.25%―となっている。

         

このうち(1)は、例年の改定で人口の高齢化、医療の高度化等に対応する部分。その+0.46%の中には、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分として+0.28%程度が含まれている。

 

また(2)の+0.61%は人件費の上昇に対応するものとして今回特例的に盛り込まれたもの。具体的には看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(上記(1)を除く)の2024年度ベア+2.5%、25年度ベア+2.0%を実施していくためのものとされている。

 

一方、薬価改定では、(1)薬価が△0.97%、(2)材料価格が△0.02%、(3)合計で△1.00%(国費△1200億円程度)―となった。

 

これにより、診療報酬本体と薬価改定等でネット△0.12%という計算になる。

 

長期収載品の保険給付のあり方も決まった。後発医薬品が上市して5年以上経過したものまたは後発医薬品の置換率が50%以上となったものを対象に、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までを保険給付の対象とし、残り4分の1は選定療養として患者負担とすることになった。施行は24年10月から。

 

■介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%の引き上げ

  

このほか介護報酬は1.59%、障害福祉サービス等報酬は1.12%それぞれ引き上げることも決まった。

 

介護報酬では、+1.59%のうち+0.98%を介護職員の処遇改善に充てる(処遇改善分は24年6月施行)。その上で、賃上げ税制を活用しつつ、介護職員以外の処遇改善を実現できる水準として+0.61%を措置するとした。このほか、改定率の外枠として、処遇改善加算の一本化による賃上げ効果や、光熱水費の基準費用額の増額による増収効果などを加えると+0.45%程度になるとしている。

 

これらの措置で介護現場で働く人々の賃上げが24年度で2.5%、25年度で2.0%のベースアップに確実につながるよう、配分方法の工夫を行うとしている。なお、今回の介護報酬改定では2年分を措置し、3年目の対応については26年度予算編成過程で検討するとしている。

 

なお、利用者負担を2割とする「一定以上所得」の判断基準については「第10期介護保険事業計画期間の開始(2027年度~)の前までに結論を得る」として、先送りされた。

  

大臣事前折衝に臨む武見厚労相(左から3人目)、鈴木財務相(同4人目)ら

  
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出典:Web医事新報

  

  

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