2018.10.05
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医療事故情報、小児投与の薬剤は0歳が最多 日本医療機能評価機構

メディカルサポネット 編集部からのコメント

益財団法人日本医療機能評価機構は、小児へ投与する薬剤に関連した医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(医療事故情報収集等事業 第54回報告書)を公表しました。体重によって処方量が決められている薬剤だけでなく、年齢によって用法・用量が異なる薬剤もあります。薬剤師が医師の処方間違いに気付いて疑義紹介を行い、処方の修正に至った事例も報告されています。計算違いや思い込みによる調剤間違いなど、ちょっとした油断や不注意から事故は発生しないよう、よりいっそうの注意をお願いします。

 

日本医療機能評価機構は5日までに、小児に投与する薬剤に関連した医療事故情報が2015年1月から18年6月までの間、136件報告されたことを明らかにした。患者の年齢別では0歳児が65件で最も多く、全体の半数近くを占めた。【新井哉】

 

日本医療機能評価機構が示した「投与量間違い」の改善策

 

小児に投与する薬剤については、大人と違い、年齢や体重などを考慮して処方量を決めることが多い。その際、添付文書の推奨量を確認しなかったり、患者の体重の確認を怠ったりして投与量を間違えるケースが絶えない。

 

 

こうした状況を踏まえ、同機構は、報告された医療事故情報を整理した。それによると、患者の年齢については、0歳に次いで多かったのが1歳(18件)だった。関連診療科については、小児科が93件で最も多く、以下は小児外科(12件)、心臓血管外科(8件)、麻酔科(7件)、救命救急センター(6件)、整形外科(5件)、脳神経外科(4件)などの順だった。

 

 

薬剤の剤形別では、注射薬(95件)が全体の約7割を占めた。内服薬(40件)に加え、外用薬(1件)もあった。どの段階で間違いが起きたかも調べたところ、「投与」が54件、「処方・指示」が46件、「準備・調製」が30件、「調剤」が6件だった。

  

「処方・指示」に関しては「投与量間違い」の主な背景や要因を提示。例えば、入力時の誤りについては、「処方した耳鼻科の非常勤医師は、小児の用量に変更すべきだと考えていたが成人の用量のまま処方した」「医師3人でチェックしたが、mgとmlの間違いによる濃度の違いに気付かなかった」といった要因を挙げている。

  

同機構は「投与量間違い」の改善策として、▽医師は処方時に患者の体重を確認する▽処方前に添付文書を確認する▽散剤の場合は、製剤量か成分量かを確認した上で用量計算を行う―などを示している。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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