2018.10.04
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在宅医療機器、スマホなどの電波影響し誤作動も
厚労省、医療従事者に報告書を周知

メディカルサポネット 編集部からのコメント

電波利用の普及・高度化に伴い、電波が人体や医療機器に与える影響に与える影響に対する懸念が増大しています。厚生労働省は一部の在宅医療機器において、携帯電話などの電波の影響で誤操作が起きた事例を公開し、医療機器の製造販売業者や医療機関に対して、推奨離隔距離などの充分な情報を医療従事者にも提供するよう配慮を求めています。平成29年度「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」報告書は総務省電波利用ホームページからダウンロード可能です。

 

 厚生労働省は、スマートフォンを含めた携帯電話端末の電波が在宅医療機器に与える影響などをまとめた総務省の報告書を医療従事者らに周知するよう都道府県などに通知した。携帯電話端末の電波が影響した誤作動が報告されたことを踏まえた措置。誤作動が発生した医療機器の中には、電波利用機器と在宅医療機器の間の具体的な離間距離が取扱説明書に明示されていないケースもあったという。【新井哉】

 

 

 報告書には、スマートフォンとタブレットを含めた携帯電話端末のW―CDMA方式とLTE方式の電波を対象とした影響調査の結果や考察などが盛り込まれている。

 

 報告書によると、スマートフォンや携帯電話端末などで使われている、▽700MHz帯▽800 MHz帯▽900MHz帯▽1.5GHz帯▽1.7GHz帯▽2GHz帯―の周波数帯を測定したところ、調査対象とした25台の医療機器のうち、9台に影響が出た。

 

 例えば、成人用人工呼吸器では、端末から20センチほどの距離で電波の影響が出ており、自発呼吸を誤検知したことを記載。「呼吸回数が増加し続け、アラームが鳴り、その後も呼吸回数が増加し続ける」といった事象が起きたという。

 

 また、在宅環境で医療機器が使用される機会が増えつつあることに触れ、「調査対象としなかった医療機器についても、国内における在宅での使用状況を把握し、適宜調査対象として含めていく必要がある」としている。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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