2018.10.03
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妊娠・出産を「負荷」とみなす質問あったか検証を
不正入試問題で学術会議が声明

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医療現場の構造的問題が、憲法に定められている「教育を受ける権利」を女性から奪う異常事態になっています。日本学術会議は論文や面接も含めた入試の調査だけでなく、医学教育課程全般で女子差別的な問題がないかどうか自主的に精査し、原因の究明と改善を速やかに実行するよう要請しました。医療政策を含めた医療界全体の構造、医師に対して過大な自己犠牲や過重労働を要求する社会風潮など、医学教育のあり方や女性医師の活躍支援には問題点が山積みです。

 

 東京医科大の不正入試問題を受け、日本学術会議は、医学部医学系入学試験における公正性の確保を求める声明を出した。面接試験で妊娠・出産を「負荷」とみなす価値観に基づく質問があったかといった評価の「質」にまで踏み込んだ徹底的な検証を行うよう求めている。【新井哉】

 

 この問題を巡っては、文部科学省が医学部医学科のある全国81大学を対象に実施した緊急調査で、約6―7割の大学で男性の合格率が女性を上回っていたことが判明。声明では、これを取り上げ、「その原因の調査等について、今後、各大学の自主的な取り組みが重要である」としている。

 

 検証方法については、「論文試験や面接試験を含めた全体的な検証が必要」とした上で、固定的な性別の役割を肯定する考え方などの「無意識のジェンダー・バイアス」に基づく質問や評価の偏りがあったか検証する必要性を提示。また、妊娠・出産などの「ライフイベント」への対応を含めたキャリア形成支援や復職支援を充実させるよう求めている。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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