2018.07.25
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薬機法改正にらみ9月ごろ課題を提示
厚労省、医薬品医療機器制度部会で

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医薬品医療機器等法の改正に向け、医薬品医療機器制度部会では、薬局や薬剤師の在り方について活発な議論が交わされました。9月ごろ課題を提示する予定です。

 医薬品医療機器等法(薬機法)の改正に向けて、厚生労働省は9月ごろに開催予定の厚生科学審議会・医薬品医療機器制度部会の会合で、これまでの意見や課題を提示し、薬機法をどのように見直すべきかなどを具体的に検討する方針だ。25日に開かれた会合では、薬局や薬剤師の在り方などを引き続き議論し、薬局が最低限行うべきことを同法に記載すべきだといった意見が出た。【松村秀士】

 

薬局や薬剤師の在り方などについて議論した医薬品医療機器制度部会(25日、東京都内)

 

 2013年の薬事法改正時の附則で、施行後5年をめどに見直すことが規定されていた。また、18年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」では、「19年度上期措置」のメニューとして、一定の条件の下でのオンライン服薬指導の実現が示された。

 

 そのため、次の通常国会での改正薬機法の成立を見据え、同部会で見直しの議論が行われてきた。

 

 25日の会合で厚労省は、地域で必要な医薬品が常に提供されるとともに、薬剤師による薬学的知見に基づく患者への指導が実施される体制の整備を検討事項に挙げたほか、疾病領域に応じた高度な専門的機能を持つ薬局の必要性も指摘。地域の薬局の在宅での役割や、医療用麻薬を必要とする患者への対応に関する検討も論点案として示した。

 

 厚労省はまた、組織ガバナンスの確保のため、同一の法人が複数の薬局を開設する場合の開設者と管理者の責務の明確化や、その責務を果たすことを促すための措置の検討も要望。さらに、「薬局における主な業務」として、▽処方箋の応需・薬剤の交付▽要指導医薬品、一般用医薬品の販売▽高度薬学管理機能▽健康サポート機能―などを挙げた。

 

 花井十伍委員(特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権理事)は、「薬局にはいろいろなスタイルがあってもいいと思うが、最低限のことをやっていないのは駄目だということは(薬機法に)記述されるべきだ」と主張した。

 

 伊藤由希子委員(津田塾大教授)は、「高度な機能を持っている薬局や高度な知識を持っている薬剤師がいる薬局がランク化されて、分かりやすい形で示されることは悪いことではない」と指摘。また、「すべての薬局が健康サポート薬局を目指すことにメリットがあるような評価や機能の立て付けが法律でできるのではないか」と述べた。

 

 これに対して中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「健康サポート薬局をつくったのは診療報酬上の手当てをすることとは一線を画し、薬局はこういう姿であるべきだという金看板を付ける意味だ」とし、診療報酬の手当てで健康サポート薬局に誘導すべきではないと主張した。

 

 中川委員はまた、「高度薬学管理機能は院内薬剤師が担うべきだ」と指摘。この機能をすべての薬局が担う必要があると誤解されかねないとし、「薬局における主な業務」に含めるべきではないとの考えも示した。    

 

 出典:医療介護CBニュース

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