2020.11.06
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小児科で依然「落ち込み深刻」、昨年比8月も3割減
日医、新型コロナの診療所経営への影響調査

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医師会が3月以降続けている、新型コロナウイルス感染症による診療所経営への影響調査について、7-8月時点の調査を行い、定例記者会見で結果を公表しました。それによると、診療所の医業収支のマイナス幅は6月以降少しずつ回復しているものの、耳鼻咽喉科と小児科では依然として診療件数などの減少幅が大きく、特に小児科では両方の月で入院外総件数が3割以上落ち込んだままだったことが分かりました。中川俊男会長は、小児科や耳鼻咽喉科での落ち込みが「深刻」な状況と訴え、20年度第2次補正予算の予備費の活用や第3次補正予算による手当てを求めたい考えを示しました。

 

 日本医師会(日医)は5日、2020年7-8月時点における診療所経営への影響について調査結果を公表した。全体的な傾向として、診療所の医業収支のマイナス幅は6月以降少しずつ回復している。一方で、耳鼻咽喉科と小児科では依然として診療件数などの減少幅が大きく、特に小児科では両方の月で入院外総件数が3割以上落ち込んだままだった。【吉木ちひろ】

 

日医の中川会長

 

 それによると、診療所全体の入院外総件数は7、8月とも8.0%の減だった。診療科別では内科がそれぞれ7.2%減と5.5%減、整形外科が7.6%減と5.9%減、眼科がいずれの月も3.6%減、耳鼻咽喉科が20.4%減と16.9%減、小児科が31.6%減と30.6%減。入院外総点数についても、診療所全体の平均は7月が6.6%減、8月が5.5%減なのに対して耳鼻咽喉科は22.3%減と18.4%減、小児科は29.9%と28.2%の減と、減少幅が大きかった。

 

 また、1施設当たり医業収入の対前年同月比は7月が6.8%減、8月が4.9%減。過去の調査結果と比較すると、マイナス幅は5月(16.5%減)を底として縮小しつつある。

 

日医の公表資料より

 

 中川俊男会長は5日の定例記者会見で、小児科や耳鼻咽喉科での総点数や総件数の落ち込みを中心に「深刻」な状況を訴え、政府に対して20年度第2次補正予算の予備費の活用や第3次補正予算による手当てを求めたい考えを示した。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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