2018.06.21
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個人端末利用のリスク減らせ、日医委員会が提言
~「原則行うべきでない」のにスマホなどで半数利用

メディカルサポネット 編集部からのコメント

携帯やパソコンなど、個人所有端末の業務利用は「原則行うべきでない」とされていますが、実際はかなりの割合で利用されています。日本医師会BYOD(Bring your own device=個人端末の業務利用)の危険性を減らすために環境整備を行う必要性を指摘しましたが、改善は難航している模様です。情報の取り扱いには細心の注意を払ってください。

 

日本医師会(日医)は20日、医療IT委員会の答申を公表した。患者の医療情報の漏えいなどを防ぐために、個人が所有したり管理したりする端末を業務に利用すること(BYOD)を国はガイドラインで「原則行うべきでない」としているが、多職種連携システムで利用される機材のうち、個人所有のデバイスが一定程度利用されていることが分かっており、答申では、BYODの危険性を減らすための環境整備を提言。日医の石川広己常任理事は、同日の記者会見で、端末の貸し出しなどのコストを基金や補助金の対象にするなどの対策を挙げた。【越浦麻美】

 

答申について説明する石川常任理事(20日、日医会館)

厚生労働省が2017年5月にまとめた「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版」では、BYODは「原則として行うべきではない」ことや「管理者以外が設定の変更を技術的あるいは運用管理上、禁止できない限り、BYODは行えない」と記載されている。石川常任理事は、例外的にBYODを行う場合、「かなり厳しい管理が必要であることが紹介されている」と述べた。 

 

日医総研が行った調査によると、多職種連携システムで実際に利用されている機材で最も多かったのが「ノートパソコン」(136 カ所)だった。次いで「デスクトップパソコン」(130 カ所)、「タブレット端末」(122 カ所)などの順。いずれのデバイスでも個人所有が一定程度利用されており、特に「スマートフォン端末」や「携帯電話」では個人所有が半数近くを占めた。 

 

このような実態に対して答申では、BYODの危険性を減らすために日医が環境整備を行う必要性を指摘。端末や通信のコストを、地域医療介護総合確保基金や自治体の補助金などの対象にしたり、IT連携に対して、診療報酬・介護報酬点数を算定できるよう国に働き掛けたりするなどの対策を挙げた。

 

 

  
出典:医療介護CBニュース

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