2020.09.10
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診療所の医業収入、6月は前年同月比8.0%減
日本医師会

メディカルサポネット 編集部からのコメント

日本医師会は定例記者会見で、2020年4月~6月の医療機関の経営状況に関する調査結果を発表し、6月の医業収入は前年同月比8.0%減で4、5月と比べると減収幅は縮小していました。診療科別では耳鼻咽喉科が最も減収の度合いが大きく34.5%減でした。しかし、診療を継続するための「持続化給付金」を申請したのは1割以下にとどまっており、中川俊男会長は、持続化給付金の支給要件の高さのほか、補助対象が、支出に対する実費補助に限られている点について指摘。「大胆な追加的支援を求めたい」などと主張しました。

 

 日本医師会(日医)は9日、医業収入の対前年同月比など2020年4月から6月までの診療所における経営状況に関する調査結果を公表した。それによると、6月の医業収入は前年同月比8.0%減で4、5月と比べると減収幅は縮小していた。今回は、交付金などの申請状況についても調べている。【吉木ちひろ】

 

医療機関への追加支援の必要性を主張する日医・中川会長

 

 日医では新型コロナウイルスの感染拡大以降、月ごとの減収状況など医療機関の経営に及ぼしている影響について調査を継続実施している。今回公表した調査結果は、19年および20年4-6月の損益状況(医業収入、介護収入、医業・介護費用、医業利益)と、新型コロナウイルス感染症に関連する交付金や融資などの申請状況を全国の会員診療所に尋ね、587施設(医業収入については546施設)から回答を得たもの。

 

 それによると、20年4-6月の医業収入は前年同期比13.3%減で、単月では4月が15.4%、5月が16.5%減、6月が8.0%減だった。

 

 4-6月における医業収入の対前年同期比を診療科別に見ると、減収の度合いが最も大きいのは耳鼻咽喉科の34.5%減で、小児科の26.0%減、整形外科の13.0%減がこれに続いた。また、耳鼻咽喉科では19年の同じ月と比べて医業収入が30%以上減少した月がある診療所は89.4%、50%以上減少した月がある診療所は41.5%だった。小児科では、医業収入が30%以上減少した月がある診療所は56.3%で、50%以上減少した月があるのは10.9%だった。

 

 調査では、法人に最大200万円、個人事業主に最大100万円を支給する持続化給付金についても診療科別に分析している。その結果、耳鼻咽喉科以外の診療科では「申請した」と回答したのは1割以下にとどまっていた=グラフ=。

 

日医の定例記者会見で公表された資料より抜粋

 

 9日の定例記者会見で調査結果の概要について説明した中川俊男会長は、持続化給付金の支給要件の高さのほか、院内感染防止対策を講じた医療機関などを支援する新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の補助対象が、支出に対する実費補助に限られている点について指摘。「損失補填も排除せず、大胆な追加的支援を求めたい」などと主張した。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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