メディカルサポネット 編集部からのコメント
国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院等をはじめとするがん専門施設において実施されている 2016 年および 2017 年の院内がん登録のデータを集計し、小児がんおよび15~39歳のAYA世代に特化した報告書をまとめました。AYA世代のがんについては、20 歳以上のがん症例の約80%は女性で、年齢に従って増加しています。子宮頸癌と乳癌の増加が影響していると考えられています。 |
国立がん研究センターと国立成育医療研究センターは18日、2016~17年の院内がん登録のデータを集計し、小児がん、若年成人(AYA世代)に特化した報告書を公表した。20歳以上のがんは女性に多く、20~39歳のがんでは約8割を女性が占めていることが明らかになった。
対象病院は、全国のがん診療連携拠点病院等をはじめとする844のがん専門施設。16~17年に初回治療を開始したがん症例のうち40歳未満(小児、AYA世代に該当)を対象に集計した。解析の対象となったのは、小児がん4513例、AYA世代のがん5万7788例。AYA世代の集計はこれまで、20歳を区切りとして「未成年」「成人」と分類していたが、今回初めて0~14歳を小児、15~39歳をAYA世代と区別したという。
報告書ではAYA世代のがんについて「20歳以上のがん症例の約80%は女性で、年齢に従って増加していくことが分かった」と指摘。25歳を過ぎると飛躍的に増加し、30代での発症は40歳未満のがん全体の約70%、AYA世代に限ると約75%を占めていたことを明らかにした。報告書は、25歳以降のがんの急激な増加について「子宮頸癌と乳癌の増加によるものと考えられる」としている。
出典:Web医事新報