2019.08.01
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被保険者番号を活用する仕組み、秋までに取りまとめ
厚労省・有識者検討会、医療情報の連結推進で

メディカルサポネット 編集部からのコメント

2121年度から「個人単位の被保険者番号を活用して、医療などに関する患者情報を連結させる仕組み」が運用開始されます。31日にこの仕組みについての初会合が開かれ、「どの被保険者番号が同一人物の番号であるか」を照会するなど具体的な検討がスタートしました。厚労省が示した基本スキームはイメージしにくいという意見が上がり、「どういう活用主体が、何の目的で利用することを想定しているのか」─改めて考えを整理して、次回以降に提示することとなりました。検討会は今後、月1回のペースで開かれ、秋までに枠組みを固めていく予定です。

   

 厚生労働省の有識者検討会は31日、医療などに関する患者情報を連結させるため、医療保険の被保険者番号を活用する仕組みの議論を開始した。この日は、厚労省が仕組みの基本スキームなどを示したが、もう少し分かりやすいようにすべきだとの意見が上がったため、整理して次回以降、改めて提示して議論を深める。検討会は今後、月1回程度のペースで開かれ、秋までに取りまとめをする。それを踏まえて、関係の審議会などで具体的な仕組みを話し合う。【松村秀士】

 

「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会」の初会合(31日、厚労省)

  

 2019年6月に閣議決定された成長戦略フォローアップでは、「医療等分野における識別子(ID)については、オンライン資格確認システムを基盤として、個人単位化される被保険者番号を活用した医療等分野の情報の連結の仕組みの検討を進め、必要な法的手当を行い、 2021年度からの運用開始を目指す」との方針が示された。

 

 こうした状況を踏まえて厚労省は、「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会」を設置。31日の初会合で提示した基本スキームでは、仕組みの活用主体が自ら保有している被保険者番号のうち、確認したい番号について、「どの被保険者番号が同一人物の番号であるか」を照会する。これに対して、管理・運営主体が回答するというイメージを明らかにした。

 

 厚労省はまた、活用主体と管理・運営主体の条件もそれぞれ示した。活用主体は、医療などのデータベースの保有主体のうち、一定の基準をクリアし、さらに仕組みを活用するニーズが高い主体とする。

 

 活用主体の範囲に関しては、厚労省の医療等分野情報連携基盤検討会の報告書に、「原則として、被保険者番号履歴の利用目的が法令等において明確にされていること、適切な組織的、物理的、技術的、人的安全管理措置が講じられていること等一定の基準に該当する者に限定すべき」と明記されている。

 

 管理・運営主体は、▽全国で一元的に対応できる▽公的な性格を有する▽被保険者番号の管理と関連する▽適切な個人情報保護の措置を講じられる―ことなどが条件。また、仕組みの運用に当たって、活用主体に受益が生じる一方、管理・運営主体には作業量に応じた費用が発生することから、その費用を負担する方法の検討を促した。

 

 意見交換では、山本隆一構成員(医療情報システム開発センター理事長)が、基本スキームはイメージしにくいとし、「もう少し詰めて考えた方がいい」と再提示を求めた。また、樋口範雄構成員(武蔵野大特任教授)は、「どういう活用主体が、何の目的で利用することを想定しているのか」と質問。これらに対して厚労省の担当者は、考え方を整理すると応じた。

 

 

出典:医療介護CBニュース

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