2019.05.24
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災害拠点病院の指定解除、要件満たせず続出の恐れ
3割が業務継続計画を未策定、厚労省が再調査も

メディカルサポネット 編集部からのコメント

5月23日に第14回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会が開催され、「地域の医療資源の有効活用」や「病院の業務継続計画(BCP)」の策定状況について意見が交わされました。2017年3月31日付けで災害拠点病院の指定要件に「被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備を行っていること」が追記されましたが、2018年12月1日時点で病院のBCP策定を無しと回答した病院の割合は28.8%でした。

 

 災害拠点病院の指定要件となっている業務継続計画(BCP)の策定について、約3割が作成していないことが23日、厚生労働省の調査(2018年12月1日時点)で明らかになった。同病院は災害対策基本法に基づいて都道府県知事が指定している。厚労省は都道府県知事に宛てた医政局長通知で「指定要件を満たさなくなった場合には指定の解除を行う」としているため、都道府県の調査や厚労省が今後行う再調査でBCPの未策定が判明した場合、指定解除が相次ぐ恐れが出てきた。【新井哉】

  

厚生労働省が明らかにした災害拠点病院などの業務継続計画(BCP)策定状況

  

 災害拠点病院の指定要件を巡っては、厚労省が17年3月、医政局長通知を都道府県知事に宛てて出し、「被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備を行っていること」などと指定要件の一部を改めたことを伝達。既に指定済みの病院についても猶予期間中(19年3月まで)にBCPを策定するよう求めていた。

 

 厚労省によると、BCPの策定状況に関しては、全国の736の災害拠点病院のうち、690病院が調査に回答。約3割の199病院が「策定なし」と答えたという。こうした状況を受け、厚労省は、未回答や策定していないと回答した災害拠点病院について、指定要件の猶予期間後の4月1日時点の策定状況を再調査する。

 

 災害拠点病院は、災害発生時に被災地内の傷病者の受け入れや搬出に24時間対応できることや、災害派遣医療チーム(DMAT)の保有・派遣体制を整えていることなどが指定要件となっている。BCP策定は、17年3月の改正で指定要件に盛り込まれたが、指定済みの病院が準備するため2年間の猶予期間が設けられていた。

 

    

出典:医療介護CBニュース

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