2024.12.16
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vol.2 PT・OT・STの定着率アップに効果的な取り組みとは?

5分で読めるポイント解説 PTOTST白書2024

 

編集部より

医療現場や介護現場において、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の役割は非常に大きなものですが、多くの現場は人材不足に悩んでいます。そこで今回、『PTOTST白書2024年度版』より、PT・OT・STの定着率を上げるために事業者側がどのような取り組みをしているかご紹介します。どのような取り組みが定着率アップに繋がるか、ぜひご参考にしていただければと思います。

 

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

事業者の取り組み状況

前回は、PT・OT・STの転職・就業動向の調査結果について紹介しました。

そこで今回はPT・OT・STの定着率を上げるための事業者の取り組みについて紹介します。

 

以下は、「PTOTST白書2024年度版」における、事業者の取り組み状況に関する調査結果です。

  

労働環境改善・定着のための取り組みの現状

  

PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組み(人員の確保・勤務シフト・業務効率化・待遇改善など)を実施しているか尋ねたところ、以下のような回答となりました。

  • 「実施している」40.0%
  • 「実施を予定・計画している」19.5%
  • 「取り組む必要があるが、余裕がなく実施できていない」17.4%
  • 「取り組む必要がないので実施していない(すでに働きやすい環境である)」13.2%
  • 「取り組む必要があるが、大きな問題となっていないので実施していない」10.0%

全体の86.8%はPT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組みが必要としていますが、そのうちの約3分の1は実施の予定・計画まで至っていないことがわかります

では、実施している事業者は、具体的にどのような施策を講じているのでしょうか

 

 

労働環境改善・定着のための具体的な取り組み


 

PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」「実施を予定・計画している」と回答した113事業者に、どのような取り組みを実施/計画しているか尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 「時間外労働の削減」64.6%
  • 「教育・研修・スキルアップ支援」59.3%
  • 「十分な職員数の確保」58.4%
  • 「休暇の取得促進」54.9%

 

多くの事業者が、時間外労働の削減や休暇の取得促進といった、職員の労働の負担を減らす取り組みを実施していることがわかります。

 

効果が高いと感じている取り組み

 

では、実際にはどのような取り組みが、効果が高いのでしょうか。

PT・OT・STの労働環境改善・定着のために何らかの取り組みを「実施している」と回答した76事業者に、実施しているもののうち、どの取り組みの効果が高いと思うか尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 「十分な職員数の確保」38.2%
  • 「休暇の取得促進」38.2%
  • 「賃金引き上げなどの待遇改善」34.2%
  • 「時間外労働の削減」32.9%

 

本調査の自由回答欄に寄せられた実例には次のようなものがありました。

  

■十分な職員を確保し、業務量と残業時間の適正化を図る。
■適正な人員配置を継続し、残業をさせず、ワークライフバランスを維持するように努める。
■大前提で十分な職員数の確保、無駄な時間外労働をなくすために研修や勉強会なども業務時間内に実施、勤務表作成時の配慮、有給休暇の取得促進。
■有給休暇の積極的な取得でリフレッシュしてもらっている。また、フレックスや直行直帰、自宅待機などアイドルタイムの休憩も取り入れている。

  

 

まとめ

本記事から読み取れるように、PT・OT・STの定着率を上げるためには、ライフワークバランスへの配慮はもちろん、十分な職員数を確保し、各スタッフへの負担が減るように働きかけることも重要であることがわかりました。

では、職員採用のために、事業者はどのような採用活動の工夫をすべきでしょうか。

 

次回もPTSTOT白書のデータをもとに、採用活動の状況や工夫を読み取っていきます。

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