2024.11.18
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vol.1 PT・OT・STが退職・転職活動を決意する理由とは?

5分で読めるポイント解説 PTOTST白書2024

 

編集部より

医療現場や介護現場において、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の役割は非常に大きなものですが、多くの現場は人材不足に悩んでいます。そこで今回、『PTOTST白書2024年度版』より、PT・OT・STの転職・就業動向の調査結果を紹介します。彼らは現職を続けるためにはどのようなことが必要と考えているか、転職する際にはどのようなポイントを重視するかを知ることで、ぜひ採用活動や定着率アップのためのヒントとしていただければ幸いです。

 

編集・構成/メディカルサポネット編集部

 

PT・ST・OTの転職・就業動向

以下は「PTOTST白書2024年度版」における、退職・転職動向に関する調査結果です。

 

 

PT・OT・STが感じる仕事のやりがい

  

現在の職場で仕事をする上でのやりがいを感じると回答した465人にそれはどのようなときかを尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 「患者・入居者・利用者に感謝されたとき」69.0%
  • 「者様の身体機能の維持・向上ができたとき」55.3%
  • 「専門知識を活かせている実感があるとき」52.7%
  • 「自分の望むリハビリに関われているとき」41.7%


リハビリの提供を通じて、患者・入居者・利用者に対して貢献できたと実感することが、PT・OT・STのやる気やモチベーションに大きく影響し、自ら学んだ専門知識を実際にリハビリに実行できていることがやりがいにつながっていると考えられます。

 

では、PT・OT・STが退職を考える理由にはどのようなことがあるのでしょうか。

 

退職・転職を考えるきっかけ

 

退職を考え始めたきっかけ・理由を尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 「給与・待遇」54.3%
  • 「人間関係」41.7%
  • 雇用形態・働き方」32.7%
  • 「労働時間・休暇」が29.1%
  • 社風・方針」25.9%
     

本調査の自由回答欄に寄せられた実例には次のようなものがありました。

■今の職場はセラピストとしての仕事より、介護職員としての仕事が多いので、もっとリハビリの仕事をしたい。
■とにかく給与を上げて欲しい。
■収入が低く抑えられており、結果的に離職につながっている。またキャリアアップの可能性を一部の職種が握っているため、キャリア形成に支障を来たしている。そういった部分をできる限り無くしていく必要がある。
■マンパワー不足が著しく、やりたいことができない環境にある。今後更に悪化する可能性が高い。
■現場対応を終えて終業時間が近づいてから書類作成を行うことが多く、時間外勤務につながりやすい。

  

では、PTOTSTが仕事を長く続けるには何が必要になるのでしょうか。

  

PT・OT・STを長く続けるために

 

PT・OT・STを長く続けるために何が必要か尋ねたところ、上位に以下が挙げられています。

  • 給与などの待遇面の充実」が80.4%
  • 良好な人間関係」72.6%
  • 休暇の取りやすさ」54.0%
  • 長時間労働負担を軽減する職場環境や人員体制」45.5%
  • 勉強会への参加・認知取得など専門性を高めること」42.3%

    給与など待遇面の充実はもちろんですが、心身共に健康で仕事に集中できる労働条件と職場環境が前提となります。

 

 

まとめ

本記事から読み取れるように、PT・OT・STが長く働き続けるには「給与・待遇」「人間関係」が重要になってきます。

従業員の定着率を上げるために、事業者側ができる施策はどのようなものがあるのでしょうか。

次回もPTSTOT白書のデータをもとに、実際に成功している施策は何なのか読み取っていきます。

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セラピスト590人のリアル 労働・雇用実態調査 『PTOTST白書2024年度版』~「労働実態」「就労・転職志向」とは?~

 

 

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