「ナーシングビジネス」2019年vol.13 no.2より抜粋。『医療者を支える産業保健スタッフの取り組み』をご紹介します。
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス
経営企画本部 人事部 人事総務課
代表取締役 吉田桃子(よしだももこ)
臨床心理士。臨床心理士資格取得後、精神病院などの勤務を経て、主に産業領域において働く人のメンタルヘルスを専門に心理職として業務を行う。現在は複数の医療・福祉施設を有する社会医療法人ジャパンメディカルアライアンスにて、職員の相談窓口およびメンタルヘルス対策全般を担当している。
目次
- 産業領域における心理職業務
- 心理職の実際の活動
- 医療・福祉現場における特殊さ
- 今後の事業場内相談の発展
産業領域における心理職業務
筆者は現在、医療機関および福祉施設を複数抱える社会医療法人にて、法人職員の相談窓口および組織全体のメンタルヘルス対策の業務を担当しています。カウンセラーや心理士というと、スクールカウンセラーや、精神病院等で心理検査を実施したりカウンセリング業務等を行うスタッフをイメージする方が多いかもしれません。しかし筆者の場合は病院勤務であっても、病院や施設の職員のメンタルヘルス対策を担当し業務を行っています。
こういった「働く人のメンタルヘルス」を心理学の中では産業領域と呼びます。そして働く人のメンタルヘルスには、①セルフケア(従業員が自身のケアをすること)②ラインによるケア(職場の上司によるケア)③事業場(職場)内産業保健スタッフ等によるケア(産業医など事業場内のスタッフが行うケア)④事業場(職場)外資源によるケア(事業場外の専門的な機関や専門家を利用し、支援を受けること)の「4つのケア」という考え方があります。職場のメンタルヘルス活動はこの4つ全てが必要と考えられており、筆者はこの中の③にあたる事業場内の産業保健スタッフとして勤務しています。参考までに筆者の1日のスケジュールを図-01に、仕事上での年間スケジュールを図-02に示します。