編集部より

病院の現役事務長藤井将志さんが、医療職やスタッフの求人で募集しても応募がなく苦労した際、それを何を参考にどう乗り越えたかを記事にしていただきました。

参考にしたのはどこの病院か?どのような取り組みだったのか?職員採用や育成の成功事例をお伝えします。

  

執筆/藤井将志(特定医療法人谷田会 谷田病院 事務部長 藤井将志)

編集/メディカルサポネット編集部

  

   

人材育成こそ最高の学ぶ機会

当院では「学ぶこと」を推奨しており、研修費を全額負担したり、研修参加を勤務扱いにしています。連載「攻めの中小病院経営」第2回参照)さらに、最大の学びは「人に教えること」だと考えています。そこで、当初はリハ科くらいしか、新卒採用や学生の指導を受け入れてなかった病院ですが、数年かけて管理栄養士、看護師、検査技師、事務職、介護職など、様々な学校から学生実習の受け入れをするようになりました。良い人材を確保することは、どの医療機関にとっても最重要な経営課題となっていますが、実習生のつながりから入職に至ることも多々あります。

   

いろいろな職種には広がっていったのですが、肝心かなめの「医師」については、研修病院ではなく医学部生や若手医師が来るような病院ではありませんでした。どうしようか悩んでいる矢先に知ったのが、三重県にある志摩市民病院の取り組みです。職種問わず学生が集まる病院を目ざしており、実際にいろいろな学生が集まってきていることを知りました。研修制度として「教える仕組みがある」ことが必須と思い込んでいましたが、そうでなくても若者が集まる病院にしてしまえばいいのだと、発想を変えることができました。

   

そこからは経営改善の常とう手段であるTTP(徹底的にパクる)です。まず、志摩市民病院でやっている「地域医療体験」をベースに、当院の特徴であるまちづくりや病院経営を追加して、募集ページを作り発信していきました。もちろん、志摩市民病院さんには真似する許可をいただいてます。

https://www.yatsuda-kai.jp/internship

谷田病院の取り組みと、次々に集まってきたインターンシップ参加者

発信を始めて、初めて依頼があったのがシンガポール在住のインターナショナルスクールにいる日本人高校生でした。将来、医師に興味があり、高校生が個人として参加できる病院が少なく、当院のサイトを見て連絡をくれました。そのケースを皮切りに、少しずつ受入が始まりました。

https://www.yatsuda-kai.jp/archives/7747

   

ご縁があり、医学部生を中心としたコミュニティサークルである「ちいここ」という団体が主催する地域医療体験の場として当院での企画をしてくれたり、学部を問わずいろいろな学生が集まる「セカダイ」という団体でも当院にきてくれたりしています。10人、20人という学生が集まる企画も受け入れています。

   

遊びに来た医学生の団体

全国の医学部生団体「ちいここ」が遊びに来た!

    

さらに、もう一つ仕掛けたのが「熊本地域医療勉強会」という

  

  

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