2019.01.18
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注射用鉄剤の適正使用を要請―スポーツ庁・厚生労働省

メディカルサポネット 編集部からのコメント

スポーツの競技大会におけるドーピングのニュースを目にされたことがあるかと思います。ドーピングとは競技力を高める為に薬物などを使用したり、それらの使用を隠したりする行為です。現在、中学生、高校生の長距離競技者が持久力を高めるための鉄剤注射が問題となっています。これらの行為はフェアプレーの精神に反し、スポーツの価値を否定していることになります。鉄剤といえども「結果のためなら薬物利用もOK」という認識を中高生に与えてしまうのは教育上問題があります。ドーピング精神に反した行為を諫めることは、将来的に「故意なドーピング」や「うっかりドーピング」をさせないことにもつながります。医療関係者においても、道義的な責任意識が問われます。なお、スポーツ庁委託事業のJADAは、医師のためのTUE申請ガイドブック 2018をリリースしています。ぜひご一読ください。

 

スポーツ庁と厚生労働省は11日、注射用鉄剤の適正使用を求める通知を全国に発出した。

鉄剤の静脈注射は本来、鉄欠乏性貧血が重症かつ緊急の場合など、経口による鉄剤の投与が困難な場合に使用される。しかし昨年、中学生、高校生の長距離競技者を対象に持久力を高めるための安易な鉄剤注射の実態が新聞で報道されていた。

通知では「鉄剤の静脈注射について、不適切な利用の実態が確認された」とし、「鉄剤の静脈注射は、鉄分の過剰摂取につながりやすく、急性および慢性の副作用を起こすおそれがある」と注意喚起。その上で、鉄剤の使用に当たっては、競技者と関係者の希望によるのではなく、添付文書を熟読し、医学上の必要性を判断し、適切に対応するよう医療機関と薬局に周知することを要請した。

         

 出典:Web医事新報

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