2019.08.19
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手術時のガーゼ残存、X線画像で発見できない事例多数―医療機能評価機構

メディカルサポネット 編集部からのコメント

16日付けで日本医療機能評価機構が最新の医療安全情報を発表しました。「手術終了時に撮影したX線画像でガーゼを発見できなかった事例の多くは、閉創前のガーゼカウントが合っていた」という事例とともに、ガーゼカウントが合っていても注意を怠らないよう呼びかけています。ガーゼ残存防止に向けて、ガーゼカウント以外の手段の検討が急がれます。

    

日本医療機能評価機構は16日、手術時のガーゼ残存に関する注意喚起を7月に続き再度行った。X線画像でガーゼを発見できなくてもガーゼが残存していた事例があることを周知し、ガーゼカウントが合っていてもガーゼが残っている可能性があるという認識でX線画像を確認することを求めている。

 

機構は7月に公表した「医療安全情報No.152」の中で、手術時にガーゼカウントを行ったが体腔内にガーゼが残存した事例が、2016年1月~19年3月の間で57件報告され、そのうち48件ではカウントが合っていたことを周知していた。

 

15日に公表した「医療安全情報No.153」では、上記の57件のうち、43件で手術終了時にX線撮影が実施されており、X線画像でガーゼを発見できなかった事例が26件に上ったことを報告。その多くは、閉創前のガーゼカウントが合っていた事例だという。

 

X線画像でガーゼを発見できなかった主な背景は、「カウントが合っていたため、ガーゼが残存していないという前提でX線画像を確認した」「ガーゼが骨と重なっていた」「挿入したドレーン・チューブに注目して確認した」「画面が小さく、X線画像を確認しづらかった」「X線撮影の範囲にガーゼが残存した部位が含まれていなかった」。

 

こうした事例を踏まえ、ガーゼカウントが合っていてもガーゼが残っている可能性があるという認識でX線画像を確認することや、X線画像は大画面モニタを用いて輝度の変更を行い確認すること、X線画像で確認しやすいガーゼの導入を検討することを呼びかけている。

            

 出典:Web医事新報

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