2019.07.10
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治療・障害と仕事の両立、7割近くが「困難」―18年版厚労白書

メディカルサポネット 編集部からのコメント

厚生労働省より、平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-が公開されました。第1部(テーマ編)では厚生労働行政分野の特定テーマ「障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に」に基づき、現状の分析を行うとともに関連する施策を紹介し、第2部(年次行政報告)では「現下の政策課題への対応」として、厚生労働省のさまざまな政策課題への対応が年次行政報告としてまとめられています。日本で1日に起こる出来事の数を調べた「日本の1日」、日本を100人の国に例えてみた「人口100人でみた日本」など、見やすい資料も提供されています。

 

根本匠厚生労働相は9日の閣議で、2018年版の厚生労働白書を報告した。「障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に」をテーマに据え、昨年2月に実施された「自立支援に関する国民の意識調査」の結果分析を紹介。治療と仕事の両立について、障害者・有病者の7割近くが「困難」と感じている現状が示された。

 

意識調査では、20~64歳の回答者を①障害や病気を有する者(当事者)、②身近に障害や病気を有する者がいる者(身近にいる者)、③その他―に分け、各類型で1000人分の回答を収集した。

 

「現在働いている」者の割合は、当事者66.4%、身近にいる者82.2%、その他74.7%で、当事者の就業が他の類型より難しいことが示された。就業形態別に当事者の就業・就業継続の意向をみると、「現在働いている」者では92.2%、「休職中」では89.7%、「現在働いていない」では64.2%だった。身近にいる者、その他で「現在働いていない」者の就業・就業継続意向は5割未満であり、当事者の「仕事をしたい」思いが強いことが分かる。

 

一方、治療または障害と仕事の両立を「困難」とした回答は、当事者で66.3%、身近にいる者で72.5%、その他で75.8%に上った。当事者が今後仕事を続けられないとした理由では「体力的に厳しい」が最も多く、次いで「職場環境や業務体制が整備されていない」が多かった。

 

白書では、「障害を抱えたら働けない」との先入観や両立支援策の周知不足があると分析。障害者への支援が助け合いの意識の醸成にもつながるとして、企業や地域による両立支援・就労支援を促進する方針を示している。

 

 

出典:Web医事新報

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