2019.06.10
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7対1から急性期一般入院料1への移行は96.5%
厚労省、18年度調査を公表

メディカルサポネット 編集部からのコメント

6月7日に令和元年度第2回中央社会保険医療協議会が開催され、2018年度調査結果(速報)の概要について意見が交わされました。この調査は、平成 30 年度診療報酬改定における一般病棟入院基本料、療養病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料といった入院料の見直し等による影響の調査・検証、及びそのあり方等について検討のため行われ、調査項目は、(1)一般病棟入院基本料、(2)地域包括ケア病棟入院料・回復期リハビリテーション病棟入院料、(3)療養病棟入院基本料、(4)医療資源の少ない地域、(5)横断的事項でした

   

 2018年度の診療報酬改定前に一般病棟入院基本料(7対1)を届け出ていた医療機関の96.5%が、改定後に急性期一般入院料1へ移行していたことが、厚生労働省の調査結果で明らかになった。同入院料1を届け出ている理由として、施設基準を満たしており、他へ移行する必要がないことなどが多かった。【松村秀士】

  

「入院医療等の調査・評価分科会」(7日、東京都内)

  

 18年度の改定では、一般病棟入院基本料(7対1、10対1)を統合し、急性期一般入院料1―7に再編した。従来の7対1に相当するのが同入院料1。

  

 7日の診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」では、厚労省が20年度改定の検討に向けた18年度調査の結果(速報)を公表した。それによると、18年度改定の前に7対1を届けていた病棟(1801)の18年11月1日時点の届出状況では、急性期一般入院料1が突出して多かった。それ以外の届け出は、同入院料2(2.6%)、同入院料3(0.5%)、同入院料5(0.2%)、同入院料7(0.1%)などだった。

  

 同入院料1を届け出ている医療機関にその理由を聞いたところ(複数回答)、最も多かったのが、「施設基準を満たしており、特に転換する必要性を認めないため」(86.6%)との回答。このほか、「改定前の一般病棟(7対1)相当の看護職員配置が必要な入院患者が多い(医療需要がある)ため」(76.8%)、「他の病棟などと比較して経営が安定するため」(41.4%)も多かった。

  

 一方、7対1から同入院料2・3へ移行した医療機関に理由を尋ねたところ、「重症度、医療・看護必要度の基準を満たすことが困難なため」(50.0%)、「看護師の確保が困難なため」(26.9%)といった回答が多かった。7対1から同入院料2へ移行した医療機関の割合について、同省保険局の森光敬子医療課長は、「事前に予測していたわけではないが、結果としてそれほど多くない」とコメントした。

  

 神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長)は、「重症度、医療・看護必要度が厳しくなった以上、(病床の)稼働率を下げて7対1を維持している病院がそれなりにあるのではないか。それが入院料2に行かなかった大きな理由ではないか」と指摘。その上で、同入院料1・2の病床稼働率のデータを示すよう求めた。これに対して厚労省の担当者は、調査結果を分析する中で、可能であれば提示する考えを示した。

 

出典:医療介護CBニュース

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