2018.01.25
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Vol.03 医師の現場と働き方
~診療科目別・医師の平均年収&満足度ランキング~

【医師/マイナビDOCTOR調査】

メディカルサポネット 編集部からのコメント

医師たちが今の仕事を続けたいかの判断材料は人それぞれですが、今回は診療科目ごとに「仕事の質・内容」「年収」の状況と、仕事の満足度を調査してみました。





勤務先の仕事の質・内容に対する満足度

満足度が高い診療科目「1位 麻酔科」「2位 産科・婦人科」「3位 放射線科」

  

全国の病院(20 床以上)に勤務する24 歳以上の医師を対象とした
「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(労働政策研究・研修機構、2012年)によると、
勤務先の仕事の質・内容に対して「満足」「まあ満足」と回答した人の割合は 58.6%でした。
これを診療科別に見ると、「麻酔科」が 69.3%でもっとも高く、
次いで「産科・婦人科」(68.7%)、「放射線科」(62.3%)、「小児科」(61.0%)の順でした。
 

診療科目別・満足度ランキングトップ5 「勤務先の仕事の質、内容に満足してますか?」

順位 診療科目(計n=3467)  満足度
1位 麻酔科(n=153) 69.3%
2位 産科・婦人科(n=147) 68.7%
3位 放射線科(n=114) 62.3%
4位 小児科(n=205) 61.0%
5位 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科(n=391) 60.8%

【参照】

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」


勤務医の平均年収額

平均年収額トップ「1位 脳神経外科」「2位 産科・婦人科」「3位 外科」

医師の仕事満足度が報酬の額のみで左右されるはずもありませんが、
重要なファクターであることは確かでしょう。
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査 」によると、
診療科目別の平均年収トップ3は、「1位 脳神経外科:約1480万円」
「2位 産科・婦人科:約1466万円」「3位 外科:1374万円」という結果になりました。
勤務先の属性によって、勤務医の平均年収額にはどのような特徴が見られるのでしょうか。
 

診療科目別 平均年収 

順位 診療科目(計n=3467) 平均金額(万円)
1 脳神経外科(n=103) 1480.3
2 産科・婦人科(n=130) 1466.3
3 外科(n=340) 1374.2
4 麻酔科(n=128) 1335.2
5 整形外科(n=236) 1289.9
6 呼吸器科・消化器科・循環器科(n=304) 1267.2
7 内科(n=705) 1247.4
8 精神科(n=218) 1230.2
9 小児科(n=169) 1220.5
10 救急科(n=32) 1215.3
11 その他(n=103) 1171.5
12 放射線科(n=95) 1103.3
13 眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科(n=313) 1078.7

【参照】

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

 

経営形態別にみた主たる勤務先の年収まとめ

  • 勤務先の所在する地域については、「政令指定都市・東京23区以外」(1314.7万円)<「過疎地域」(1428.2万円)で平均年収額が高い。
  • 病院機能については「急性期病院でも救急指定病院でもない」病院で、平均年収額がもっとも高く(1389.4万円)「急性期病院で救急指定病院」でもっとも低い(1229.5万円)
  • 病床数規模については、規模が小さくなるほど平均年収額が高い
  • 経営形態については、「医療法人」で平均年収額がもっとも高く(1443.8万円)、次いで「個人」 (1414.0万円)、「その他の法人」(1406.4万円)、「公的」(1353.4万円)の順となっている。
  • 診療科別に見ると、「脳神経外科」で平均年収額がも高く(1480.3万円)、次いで「産科・ 婦人科」(1466.3万円)、「外科」(1374.2万円)、「麻酔科」(1335.2万円)の順となっている。

 

【参照】

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

勤務医の給与・賃金の額に対する満足度

結果は「満足」、「不満」ほぼ五分五分
 

給与・賃金の額について「満足」「まあ満足」と回答した人の割合は40.3%でした。
一方、「少し不満」「不満」と回答した人の割合も37.7%あり、両者ほぼ拮抗する結果となっています。
診療科別に見ると、「満足」「まあ満足」と回答した人の割合がもっとも高いのは「小児科」(51.2%)で、
次いで「産科・婦人科」(47.6%)、「精神科」「麻酔科」(45.8%)、「脳神経外科」(44.7%)の順でした。
 

給与・賃金の額に対する満足度(計n=3467)
給与・賃金に満足している 40.3%
給与・賃金に満足していない 37.7%
 

 

満足度ランキング

順位 診療科目(計n=3467 満足度
1位 小児科(n=205) 51.2%
2位 産科・婦人科(n=147) 47.6%
3位 精神科(n=260) 45.8%
3位 麻酔科(n=153) 45.8%
4位 脳神経外科(n=123) 44.7%

 

【参照】

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

 

勤務医の将来の働き方の希望

勤務先の仕事の質・内容や報酬の額をはじめとするさまざまな条件によって勤務医のキャリア展望、
より直接的には「今の勤務先で働き続けたいか否か」が左右されることになります。
以下にくわしく見ていきましょう。
 

  • 病床数規模別では、おおむね規模が大きくなるほど「今の職場(同じ病院・同じ診療科)で働きたい」と回答した人の割合が下がっていく。
  • 経営形態別に見ると、「今の職場(同じ病院・同じ診療科)で働きたい」と回答した人の割合が50%以下なのは、「国立」(39.5%)、「学校法人」(43.7%)、「公立」(47.3%)、「社会保険関係団体」(48.9%)だった。
  • 診療科別では、「今の職場(同じ病院・同じ診療科)で働きたい」と回答した人の割合は「外科」(58.0%)がもっとも高く、次いで「放射線科」(53.5%)、「整形外科」(53.1%)、「産科・婦人科」(51.7%)の順となった。また、「別の診療科(病院は同じ)に異動したい」「別の病院の、別の診療科に異動したい」と回答した人の割合がもっとも高いのは「救急科」(5.6%)であり、次いで「外科」(5.3%)、「その他」(4.8%)、「脳神経外科」「麻酔科」(4.0%)の順となった。
  • 「別の診療科(病院は同じ)に異動したい」「別の病院の、別の診療科に異動したい」と回答した人に対して移りたい診療科を尋ねたところ、具体的な診療科としては、「内科」(22.9%)、「眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科」(7.2%)、「外科」(7.2%) などが挙がった

 
【参照】
 

独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

 

考察

勤務医として働くうえでの満足度に影響するファクターはさまざまありますが、
今回は仕事の質・内容と報酬に注目しました。あくまで多数あるうちの2つのファクターに過ぎないので、
「仕事の質・内容に満足しているから」「報酬の額に満足しているから」といって、
ただちに「今の職場で働き続けたい」とはなりません。
職場の人間関係、労働時間の長さ、研究やスキルアップのバックアップ体制なども合わせたところで、
本当に自分の能力をフルに発揮できる職場かどうかが決まってくるでしょう。
どの診療科で働いていても隣の芝生は青く見えるもので、
現実逃避のようなキャリア変更をしてもプラスにはならない可能性が高いはず。
そうならないために、しっかりと情報を集める必要がありそうです。


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 出典:マイナビDOCTOR

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