2021.06.15
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契約時、利用者にハラスメントの説明してる? 介護事業者「していない」最多

メディカルサポネット 編集部からのコメント

三菱総合研究所が公表した、介護現場における利用者・家族によるハラスメントについての調査レポートによると、ほとんどのサービスで契約時に利用者や家族に対してハラスメントの説明を「していない」との回答が最も多くなっています。なお、特定施設では必ず説明しているところが多いようです。また、利用者・家族への事前説明は、どのサービスでも重要事項説明書などに明記して説明しているとの回答が最多となっています。

 

 《 介護保険最新情報Vol.988 》

 

介護現場の悩みの種となりがちな利用者・家族によるハラスメントをめぐり、三菱総合研究所が新たな調査レポートを公表した。国から委託を受けて昨年度に行った事業(2020年度老健事業)の成果で、厚生労働省も先週に出した介護保険最新情報で内容を周知した。【Joint編集部】

 

介護施設・事業所が取り組んでいるハラスメント対策について、現場の実情が詳しく報告されている。

 

契約時に利用者・家族へハラスメントに関する説明をしていますか?

 

この質問に対する答えは、ほとんどのサービスで「していない」が最も多くなっている。居宅介護支援で56.9%にのぼったほか、特養では48.3%、小規模多機能では47.5%、訪問介護では45.7%を占めていた。特定施設では必ず説明しているところが多いようだ。

 

 

 この調査は昨年の10月から11月にかけて実施されたもの。全国の2000を超える介護施設・事業所から有効な回答を得たという。

 

それによると、利用者・家族への事前説明の内容としては、どのサービスでも「サービスの適正な範囲を重要事項説明書などに明記して説明している」が最多。このほか、

 

○ ハラスメントによる解約について重要事項説明書などに明記している

 

○ 重要事項説明などの際にハラスメントの例を示し、その禁止を伝えている

 

○ 事業所側が担当職員を決定・変更することを重要事項説明書などに明記している

 

などの答えもみられた。

 

また、ハラスメント対策を講じるうえでの課題を尋ねた結果では、「職員によって意識・感覚の差が大きい」「利用者・家族との関係構築と兼ね合いが難しい」「2人対応をしたいが人材確保が難しい」などの回答が目立っていた。

 

 

出典:JOINT

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