2019.05.20
5

【第3回】セルフコントロールの習慣

自律神経を整える名医の習慣

習慣が変わると行動が変わる、行動が変わると人生が変わる――。国内における自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生が、自律神経研究の知見をベースにした、参考にしてもらいたい自らの「習慣」を教えてくれます。第3回のテーマは「セルフコントロールの習慣」。常に高いパフォーマンスを発揮するには、なによりも自分を客観的に見つめる視点を磨くことが大切なようです。

 

 構成/岩川悟、清家茂樹 写真/川しまゆうこ

 

ため息をつくのは悪いことではない。ため息は、体の自浄作用

なにかに集中しているときや、悩みや心配事にとらわれているとき、わたしたちはついしっかりと呼吸することを忘れがちになります。すると、呼吸はどんどん浅くなっていき、血流が滞って体の隅々にまで酸素がいき渡らなくなります。

 

そして交感神経が無用に高まることで、自律神経の乱れにつながる悪循環へと入っていきます。つまり、ますます心配事を抱えやすい状態になってしまうわけです。

 

でも、ここでため息をつくと深い呼吸を取り戻すことができ、副交感神経の働きが高まっていきます。ストレスが溜まったときに自然とため息が出るのは、体からのサインであり本能的な自浄作用なのです。

 

一般的にため息をつくことはネガティブにとらえられることが多いですが、こうした体の仕組みを知ると、必要だからこそため息が出るのだとわかります。ため息をつくことは、体にとってとても良いことなのです。

 

問題は、せっかくため息をついて新鮮な空気をたっぷり体に入れているのに、続けざまにネガティブな思考や愚痴ばかり重ねてしまうこと。そうすると結局、ため息の効果もすぐになくなってしまいます。だからこそ、思い切りため息をついたあとは、新たな気持ちで次の行動に向かっていくように心がけてみてください。

 

体にはもうその準備ができているのだから。

 

 

心身のパフォーマンスを上げるためには、「やる気」よりも「平常心」が大切

会員登録されている方のみ続きをお読みいただけます。

この記事を評価する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP