2019.04.08
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国家試験「不適切問題」続出、厚労省が「お詫び」
公認心理師・社会福祉士試験、チェック体制に課題

メディカルサポネット 編集部からのコメント

「正答が複数考えられる」「正答なしと考えられる」など「不適切問題」が相次いでいます。4月3日付けで厚生労働省は、日本で初めてとなる心理職の国家資格「公認心理師」の試験、第1回公認心理師試験(平成30年9月9日実施分)に係る試験問題の取扱いの訂正とお詫びを発表しました。2018年11月30日の合格発表時点で複数正解とした問題がありましたが、今回は「選択肢が不明確」だったとしてお詫びが出されました。この訂正による合格者に変更はないとのことです。

   

 国家試験で「不適切な問題」があったとして、厚生労働省が訂正するケースが相次いでいる。3日には、第1回公認心理師試験の試験問題の取り扱いを巡り「お詫び」を出すことを余儀なくされた。チェック体制が十分機能していないことが露呈した形で、次回の国家試験に向けて再発防止の徹底が求められそうだ。【新井哉】

 

公認心理師試験問題の取り扱いに関する厚生労働省の「お詫び」

 

 既に発表済みの合格者に加え、418人を合格者と決定し、合格証書を発送した―。厚労省は3月28日、第31回社会福祉士国家試験で「不適切な問題」があったことを明らかにした。5択から2つの正答を選ぶ問題で、正答が1つしかなかったため、全員に得点を与えたという。

 

 厚労省によると、全受験者について採点をやり直し、試験の合格基準を適用して改めて合否判定をした結果、400人以上を追加合格とする異例の事態となった。この時点で厚労省は「不適切な問題があることが判明した」と説明するにとどめ、「お詫び」は出していない。

 

 公認心理師試験については、2018年11月30日の合格発表時点で、正答を1つとしたのに2つあったり、正答を2つ選ぶ問題で3つの組み合わせが正解と考えられたりしたため、いずれも採点の取り扱いを「複数正解」としていた。

 

 3日に「お詫び」を出したのは、合格発表時に明らかにしたもの以外にも訂正問題があったからだ。5択の中から正答を2つ選ぶ問題(1問)について、厚労省は「選択肢が不明確」であったと説明。不正解は採点対象から除外したという。

 

 この訂正による合格者の変更はなかったが、厚労省は「今後は、このようなことが起こらないよう、問題作成・正答のチェック体制を強化し、再発防止に努めます」としている。

 

 

 出典:医療介護CBニュース

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