2024.05.15
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【識者の眼】「令和時代の医療大転換期─思考理解への助言④」守上佳樹

メディカルサポネット 編集部からのコメント

令和時代に入り、医療界は大転換期の大詰めを迎えています。医療介護提供側の年代差問題では、若者と熟年層の間で意見が平行線をたどることが多いです。いわゆる「最近の若者」問題と、「最近の老害」問題です。しかし、この問題は歴史的に見ても古くから存在していました。令和時代では、医療チームは年代差を超えて協力することが求められてくるのではないでしょうか。

    

時代は令和に入り、医療の「大転換期の大詰め」を迎えている。このような時代の全体思考の一助になればと考え、話題を提供したい。 前回までのNo.5208No.5214No.5218に加え、今回は「医療チーム内での年代差を越える」概念を取り上げたい。

  

いわゆる団塊の世代の人口は患者側だけでなく、医療介護提供側にも存在し、医療介護提供側も、高齢化する。チーム内外での年代差問題である。

  

この事実は、老中群からは「最近の若いもんはすぐ起業だM&Aだと、医療介護の本質を勘違いしている」とか、逆に若者群からは「既得権益にどっぷりと浸かっている人たちは、口では若者が欲しいというが、言うことを聞いてくれる都合のいい若者が欲しいだけで、本当に仕事を任せてくれたり決定権を譲渡する気がない」とか、お互いの立場からの意見が平行線をたどることが多い。「最近の若者」問題と、「最近の老害」問題である。

  

おそらく医療の世界だけの問題ではないが、本来協力して打破できれば、熟年の知恵と若手のパワーが合わさり強力な推進力になるにもかかわらず、様々な問題を複雑化させる。

  

これは組織内だけでなく、父子や母娘などの家族間でも医院継承時などに医療方針が違い、大揉めしている事実が散見されるため、最小規模の集団でも問題となる。

  

しかし、よく考えると「今の若者は」とか、「団塊の世代は」とかいうセリフは、歴史全体を見てみるとはるか昔から繰り返されているようだ。

  

ある文献1)では、人類ははるか昔から、「最近の若いもんは」という愚痴をこぼしていると指摘されている。その論文では、1624年の聖マーガレット教会のトマス・バンズ牧師の「かつての若者はこんなにも生意気ではなかった。(今)先人は嘲り笑われ、名誉ある人は非難される」という言葉が引用されており、著者のカリフォルニア大学サンタバーバラ校心理学部John Protzko教授は「人類は少なくとも2600年にわたり、『最近の若者』に対して同じような不服を申し立て続けている」と述べている。

 

また日本でも、古文の徒然草に同様の条りがある。

 

とどのつまり、同じ時代に生きている医療チーム内の年齢差からくるマウントや愚痴や老害議論問題は、そもそも人類が持つ恒久的な問題の可能性が高い。

 

令和時代においても、構える事はあっても、まともに取り合うこと自体があまり意味をなさないとして、年代差を当然のように超えての老若チームを形成する勇気が必要だ。

 

前回と合わせて、「『正常時』でも『有事』でも対応でき」「年代差をものともしないような老若」医療チームが令和時代に求められてくると考えている。

 

【文献】

1) Protzko J, et al:Sci Adv. 2019;5(10):eaav5916.

 

守上佳樹(よしき往診クリニック院長、一般社団法人KISA2隊OYAKATA)[世代間格差][大転換期][チーム医療][KISA2隊]

  

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出典:Web医事新報

 

 

 

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