2018.12.18
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リンゴ病の流行拡大、33都道府県で患者増
全国の報告数は3週連続で増加

メディカルサポネット 編集部からのコメント

妊婦で感染を起こすと、胎児に血行性感染をおこし、胎児死亡や胎児水腫を引き起こす事があるりんご病(伝染性紅斑)。妊娠前半期は、より危険性が高いといわれています。特異的な治療法はなく、対症療法のみなので、妊婦にどは、感冒様症状の者に近づくことを避けてもらい、万一感染した場合には、胎児の状態を注意深く観察することが求められます。

  

 頬が赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」の3日から9日までの週の患者報告数が33都道府県で前週よりも増えたことが18日、国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。妊婦が感染した場合、胎児の異常や流産を引き起こす恐れがあるため、患者が増加傾向の自治体は警戒を強めている。【新井哉】

 

 

 同研究所によると、この週の患者報告数(定点医療機関約3000カ所)は、前週比約10%増の定点当たり0.96人で、3週連続で増加した。都道府県別では、宮城が5.49人で最も多く、以下は東京(2.39人)、神奈川(1.97人)、埼玉(1.93人)、岩手(1.92人)、新潟(1.88人)、山梨(1.5人)、千葉(1.2人)などの順だった。

 

 西日本でも流行が広がりつつあり、警報基準値(2.0人)を上回る地域も出てきた。大阪府は「豊能で警報レベルを超えた」と指摘。福岡県でも糸島保健所管内で警報基準値の3倍近い5.67人となっている。

 

 伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、感染した人の唾液、たん、鼻の粘液などに触れ、それが自分の口や鼻の粘膜に付いたり、咳の飛沫を吸い込んだりして感染する。10-20日ほどの潜伏期間の後に頬に赤い発疹が現れ、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。

 

 成人では、頬の赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性がある。

 

出典:医療介護CBニュース 

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