2018.03.28
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医師国家試験の合格者、初の9000人超~厚労省公表、合格率は90.1%

メディカルサポネット編集部からのコメント

従来よりも問題数が100問減、試験期間も3日から2日へと短縮され、合格基準も一部変更となり実施された『第117回医師国家試験』(2月10~11日)の結果が発表されました。1946年の試験開始以来、初となる合格者9000人超えを記録し、合格率は前回よりも1.4ポイント上昇の90.1%となりました。

  

合否を確認する受験者ら(19日、厚労省)

 

第112回医師国家試験の合格者は9024人で、1946年に試験が開始されて以降、初めて9000人を超えたことが19日、厚生労働省が行った合格発表で分かった。合格率は90.1%で、前回から1.4ポイント上昇した。【松村秀士】

 

今回の医師国試は、2月10、11の両日に実施された。1万10人が受験し、前回より491人増の9024人が合格した。合格者を男女別で見ると、男性が5958人(合格率89.1%)、女性が3066人(同92.2%)。新卒者は、8330人(前回比226人増)が合格し、合格率は93.3%(同1.5ポイント増)だった。

 

医師国試をめぐっては、第112回から出題数が従来よりも100問減り、試験期間も3日間から2日間に短縮された。合格基準も一部変更となった。これまで必修問題以外の一般問題と臨床実地問題は、それぞれ合格基準を設定していたが、今回の試験からは一般問題と臨床実地問題の得点を合わせたものが合格基準となった。

 

合格発表会場となった厚労省の講堂には、多数の受験者やその家族・友人らが集まり、合否を確認する姿が見られた。

 

高校2年のころに医師になることを決めた相田翠さん(25)は、「自信が持てる問題が少なかったので、受かっていてほっとしている」と一安心の様子だ。今後については、「医療の現場にもAI(人工知能)などが取り入れられると思うが、コミュニケーションなど人間でないとできない分野は残ると思うので、患者が気軽に話しやすい医師になりたい」と将来を見据えていた。

 

高校生の時に母親が病気で亡くなったのをきっかけに、終末期の患者に寄り添える医師になろうと決めた吉田茂文さん(30)は、合格を確認して「これまでの努力が報われて、素直にうれしい」と喜びをかみ締めていた。吉田さんは、「医師になるのなら手広くやりたいので、総合内科に進みたいし、リハにも興味がある。今後の高齢化にも目を向ける医師になりたい」と意欲を示した。

 

「小さいころからの夢がかなった」と合格の喜びをあらわにした関谷葵さん(26)は将来、高齢者医療の分野で働きたいと考えている。関谷さんは、「今の日本では高齢者に対する目は、あまり温かいものではないように感じるので、温かい目が向けられるような流れをつくりたい」と力強く語った。

 

東京の4年制大学(文系)を卒業後、地元で地方公務員になった渡辺慎太郎さん(31)は、専門知識を身に付けて独自性のある仕事をしてみたいと次第に思うようになった。そのため、働きながら医学部入学のための受験勉強を開始。3年ほどで公務員を辞めて、大学の医学部に入学した。合格を確認した渡辺さんは、「アレルギーの分野や免疫内科に進みたい。まずは、標準的なことがきちんとできる一人前の医師になるのが目標」と話した。

 

出典:医療介護CBニュース

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